計画研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
1. 申請者らはオートファジー選択的基質p62がユビキチンリガーゼアダプタータンパク質Keap1と直接相互作用し、Keap1のターゲットであるストレス応答性転写因子Nrf2の分解を阻害すること、そしてこの機構の異常亢進が腫瘍進行に関与することを報告してきた(Nature Cell Biology 2010, J Cell Biol 2011, Genes Dev 2011)。しかし、p62によるKeap-Nrf2システム制御の生理的意義や選択的オートファジーとの関連は不明のままであった。本年度、オートファジーによるKeap1分解機構を報告(PNAS 2012)すると共に、選択的オートファジー(パーキン介在性変成ミトコンドリア除去、細胞内サルモネラ菌除去)と連動したp62のリン酸化がNrf2を活性化すること、即ち、選択的オートファジーとKeap1-Nrf2システムがp62のリン酸化を介してカップルしていることを発見した(Mol Cell 2013, FEBS Letters 2014)。2. 選択的オートファジー関連タンパク質Alfyがオートファゴソーム局在タンパク質GABARAPと特異的に相互作用すること見出し、GABARAP-Alfyペプチド複合体の共結晶構造解析に成功した。AlfyのGABARAP結合不能変異体を用いた細胞生物学的解析から、GABARAPはAlfyとの相互作用を介してオートファゴソームに移行することを見出した(EMBO reports, 2014)。3. 予定していた遺伝子改変マウスの作出に成功した。
2: おおむね順調に進展している
オートファジー、および選択的オートファジーに関与する複数の遺伝子改変マウスの作出を完了した。多重遺伝子改変マウスの作出、増産に時間を要しており遺伝子改変マウスの表現型解析は平成26年度以降になるが、構造学的解析、細胞生物学的解析を中心に選択的オートファジーにおける重要な知見を報告することができた。
遺伝子改変マウスの増産、多重遺伝子改変マウスの作成および増産を行い、メタボローム、リピドローム、遺伝子発現解析を含むマウスの表現型解析を行う。
すべて 2014 2013
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 7件)
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