計画研究
1.p62/Sqstm1がユビキチンリガーゼアダプタータンパク質Keap1を不活性化し、Keap1のターゲットであるストレス応答性転写因子Nrf2を活性化することを報告してきた。このp62/Sqstm1-Keap1-Nrf2経路が肝細胞がんにおいて活性化していること、それが糖、アミノ酸の代謝再編成(グルクロン酸経路およびグルタチオン合成の亢進)を引き起こし、腫瘍の増殖、抗がん剤耐性に寄与することを見出した。また、p62/Sqstm1-Keap1-Nrf2経路を標的にした抗がん剤スクリーニングを実施し、ヒット化合物を得た。2.GFP-p62/Sqstm1ノックインマウスおよび細胞を利用し、様々なストレス条件下でのGFP-p62/Sqstm1の動態解析を行った(JCS 2015)。3.Atg8ファミリータンパク質であるGABARAPL2に相互作用するUBA5の遺伝子変異が、遺伝性重篤発達障害を引き起こすことを見出した。4.肝臓特異的オートファジー欠損マウスのリピドローム解析を行い、特異的代謝物の蓄積を見出した。5.Atg2a, Atg2bの遺伝子改変マウスを作出した。
2: おおむね順調に進展している
条件付き遺伝子改変マウス、多重遺伝子改変マウスなどは予定通り作出できている。また、表現型解析もメタボローム、リピドローム解析を取り入れることにより代謝制御における選択的オートファジーの新たな役割を見出しつつある。一方、選択的オートファジー関連分子Alfy/WDFY3の細胞における機能解析やリソソームアミノ酸トランスポーターSpins1の生化学的解析が遅れている。
遺伝子改変マウスの表現型解析を続けるとともに、代謝制御における選択的オートファジーの役割の分子メカニズムを明らかにする。遅延している、Alfy/WDFY3の細胞における機能解析およびSpins1の生化学的解析は、領域内外の専門家の協力を仰ぎ、現況の打破を目指す。
すべて 2016 2015 その他
すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 3件、 査読あり 7件、 謝辞記載あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 1件、 招待講演 7件) 備考 (1件)
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