研究領域 | オートファジーの集学的研究:分子基盤から疾患まで |
研究課題/領域番号 |
25111007
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
斉木 臣二 順天堂大学, 医学部, 准教授 (00339996)
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研究分担者 |
佐藤 栄人 順天堂大学, 医学部, 准教授 (00445537)
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研究期間 (年度) |
2013-06-28 – 2018-03-31
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キーワード | オートファジー / パーキンソン病 / マイトファジー |
研究実績の概要 |
1) 所属施設で同定・単離した家族性パーキンソン病PARK22について、PARK22-iPS細胞を樹立し、通常方法にて分化誘導を行い、ドパミン神経細胞を作成した。同ドパミン神経細胞は、神経細胞内にalpha-synucleinの凝集体(特に細胞体内に)を蓄積することを確認した。現在同細胞のオートファジーフラックスを検討している。 2) 孤発性PD患者血清にて上昇していたalpha-1-antitrypsinについて、精製したAATを定位脳手術にて中脳黒質に注入したモデルマウスを作製したが、同蛋白は予想に反し凝集物を形成せず、パーキンソン病に準ずる表現型を示さなかった。そのためバイオマーカーとしてのAATの臨床的意義は確認できたが、病態への関与は解明できなかった。 3) PINK1/parkin介在性および非介在性マイトファジー促進化合物の探索を完了し、既存薬ライブラリーから3種のマクロオートファジー促進・マイトファジー促進作用を、それぞれHeLa細胞、SH-SY5Y細胞、iPS細胞由来神経細胞にて確認した。同化合物の作用機序の中で1種はmTORC1阻害作用、残りの2種については現在プロテオーム解析を行い、さらなる分子薬理作用の同定を進める。 4) オートファジーフラックス促進化合物SO286の分子薬理作用解明を進め、本化合物の結合蛋白を質量分析計を用いた解析で2つ明らかにし、結合部位を明らかにし、分子薬理作用を培養細胞にて明らかにした。現在、同化合物の結合部位の構造解析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究分担者佐藤が施行している黒質神経細胞とオートファジーの関連についてのマウス実験研究は、成果を投稿中である。またオートファジー誘導化合物についてはその2種の特許申請を終え、マイトファジー誘導化合物については特許申請準備中である。それら化合物の薬効薬理作用研究は順調に進捗しており、動物実験につなげる。
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今後の研究の推進方策 |
現在の研究を安定的に進め、すべての業績を論文化する。 具体的にはstatic encephalopathy of childhood with neurodegeneration in adulthood (SENDA)-iPS細胞由来神経細胞の病態解析を進める。 既に同定したヒット化合物(オートファジーフラックス誘導化合物、マイトファジー誘導化合物)については、非臨床試験を進めるとともに、医師主導型臨床試験を現在計画しており、臨床応用につなげる。
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備考 |
所属施設の研究紹介ウェブサイト
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