計画研究
生殖細胞の性分化に関与する2つのTGF-bシグナル系に関して、雄性生殖細胞ではSmad2がSmad4とは独立して機能していることが明らかになった。Smad2を生殖細胞でKOすると雄特異的遺伝子Nanos2及びDnmt3Lの誘導がおこらない。一方、雌生生殖細胞に関してはSmad4がStra8と共に雌化を誘導していることが分かった、またその際に体細胞の性とは独立してこれらの因子が生殖細胞で機能することが明らかになった。また雄性生殖細胞特異的Nanos2の下流解析のツールとなる強制発現系マウスがようやく確立できた。このマウスはEGFPとFlag-Nanos2をT2aで結合した遺伝子がCre依存的に発現できるマウスでNanso2強制発現細胞をEGFPでソートできる。また生後の生殖幹細胞における幹細胞の維持機構に関して、Nanso2を条件的にKOあるいは強制発現できる生殖幹細胞株(GS細胞)を用いて、その下流に解析を進めた。その結果、下流因子としてSOHLH2の抑制が分化抑制に必須であることをGS細胞系とSOHLH2強制発現マウスを作製して解析することにより明らかになった。
2: おおむね順調に進展している
ダブルKOマウスはタモキシフェンを打つと胎生15.5日を超えて発生を進めることが困難であり、多くのマウスを準備し、培養系を使うなど、かなりの工夫が必要あるため、サンプルの採集にかなりの時間が必要であった。
Smad4/Stra8-dKO細胞が、性転換したことを証明するためには、発生後期での解析が必須であり、来年度はその点をという点を明らかにするためには、さらにマウスを増やして、解析する必要がある。しかし、これではあまりに効率が悪いので、現在、ES細胞を用いた解析法を検討中である。来年度にその方法の有効性に関して検討する。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 4件、 招待講演 2件)
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