研究実績の概要 |
生殖細胞の雌性分化に関与するSmad4及びStra8のダブルノックアウト生殖細胞の性質をさらに発生後期にかけて解析を行った。E9.5, 10.5のタモケシフェン投与後E14.5からさらに培養系で3日から5日培養を行い、雄マーカーの解析を行った。その結果、Nanos2, DNMT3Lに引き続き、DNAのメチル化を示すシグナルが検出された。さらに未分化精子細胞のマーカーである、PLZFが検出された。したがって、雌の体細胞環境下における生殖細胞の雌から雄への性転換が確認できた。また今年度はSmad4及びStra8による性転換に伴なって変動する下流因子の同定をめざして、生殖細胞特異的ダブルノックアウトマウスの胎児の雌生殖巣を単離して、マイクロアレイ解析を行った。その結果、生殖細胞の遺伝子プロファイルが雄型に変化している一方、体細胞の遺伝子発現は雌型を示し、生殖細胞特異的な性転換が証明できた。またSmad4の単独ノックアウトマウスにおいて減数分裂の開始は正常におこるがその進行が妨げられていることが分かった。また遺伝学的解析を短期間で効率よく行うために、ES細胞を介したキメラ解析系を確立した。すでに生殖細胞特異的なノックアウトの解析に成功している。
Nanos2とDND1の相互作用をin vivoで解析するための、マウス(Nanos2-venusN/DND1-venusC)を持つマウスラインが確立できた。
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