生殖細胞特異的にSTRA8及びSMAD4をKOすると生殖細胞が卵巣内で雄化することからこれら2つの遺伝子が生殖細胞のメス化因子と考えてその下流の分子機構の解明を目指している。すでにSTRA8に関してはその下流で減数分裂が誘導されることが知られているが、SMAD4の下流イベントに関しては 不明であるが、SMAD4の欠損によりSTRA8の下流イベントが阻害されることにより、減数分裂が阻害され、細胞死が誘導されることがわかっている。そこで、SMAD4を生殖細胞特異的にノックアウトした細胞、およびSTRA8のノックアウト細胞を調整しRNA-seqを行いその両者を比較検討した。SMAD4の下流でも減数分裂関連遺伝子が抑制されることは確認できた。加えて多くの遺伝子の抑制とともに、雄化遺伝子の上昇も確認できた。その中で特に興味深い遺伝子群に関して、昨年度確立したキメラ系を用いた機能解析を行った。しかし、現在までに検討した、遺伝子群に関しては異常は観察できていない。単独のKOでは表現型が弱い可能性を考慮して、CAS9を用いた、複数の遺伝子KOを可能にする、vectorを構築して解析を行っている。 また雄化因子であるNanos2の機能に関して、P-body関連遺伝子のDDX6を生殖細胞で欠失すると、P-bodyが消失し、Nanos2の発現は維持されるにも拘わらす、Nanos2の機能が失われることがわかり、P-bodyの必要性がin vivoで証明できた。
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