2004年に我々は培養精子幹細胞であるgermline stem (GS)細胞が培養中に自発的に脱分化し、embryonic stem (ES)細胞と同等な多能性幹細胞であるmultipoitent GS (mGS)細胞へと変化することを見出した。しかしながら、その効率は極めて低く、分子メカニズムについても不明であった。本研究で我々はGS細胞においてDNAの脱メチル化が起こるとmGS細胞へ変化することを見出した。DNAの脱メチル化は発がん遺伝子Dmrt1の発現低下を引き起こし、これがES細胞の維持に必要とされるSox2の発現上昇を誘導することでGS細胞が多能性を獲得することがわかった。
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