生殖系列サイクルにおける遺伝情報の維持と再編の制御転換に焦点を置き解析を進めた。その結果、(1) 遺伝情報の大規模な再編が行われる減数分裂期組換えについて、未分化な生殖幹細胞が減数分裂へ向けた分子プログラムを予め獲得した上で高い遺伝的安定性を維持しつつ体細胞型増殖を行う事、(2)減数分裂期組換えに関わる遺伝子群と遺伝情報の安定性維持に関わる遺伝子群は生殖系列サイクルの発生段階に応じた特徴的な共発現クロストークを示す事、(3) 多能性幹細胞と生殖細胞のゲノム損傷応答の比較解析から、遺伝情報の安定性は生殖系列サイクルを通じて一定ではなく発生段階に応じた特徴的な調節を受ける事、を明らかにした。
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