本研究では、全能性を有する初期の着床前胚で特異的に発現する遺伝子の機能解析を行い、Klf17とBtg4は正常発生に必要な母性効果遺伝子であり、それぞれ受精後の胚性遺伝子の活性化と母性RNAの分解に重要な働きを果たすことを明らかにした。また、Trim61はE3ユビキチンリガーゼ活性を有しており、正常発生に必要な母性-胚性効果遺伝子であることを明らかにした。さらに、Pramef12は、精子形成に必須の遺伝子であり、始原生殖細胞の発生もしくは分化に重要であることを明らかにした。さらに、ES細胞に含まれる全能性細胞を可視化することに成功し、その割合を顕著に増加させる培養条件を見出した。
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