体細胞などをドナーとして核移植クローンを行ない、生殖サイクルにおけるエピゲノム変化を解析した。体細胞由来の抑制性メチル化ヒストンH3K9me2およびme3は、体細胞クローンの障害になっていた。また胎盤特異的刷込み遺伝子を制御するH3K27me3は、クローン胎盤で消去されており、それが胎盤の過形成の原因の一つであった。また、アルギニンメチル化である H3R17me2は、受精時の再プログラムの際に、卵子のヒストンH3.3を精子ゲノムに取り込ませる必須のマーカーであることを明らかにした。以上の通り、生殖サイクルにおけるエピゲノムの重要性、特に新たなヒストンメチル化の役割を明らかにした。
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