研究領域 | 植物発生ロジックの多元的開拓 |
研究課題/領域番号 |
25113006
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
柿本 辰男 大阪大学, 理学研究科, 教授 (70214260)
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研究分担者 |
松井 南 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, グループディレクター (80190396)
光田 展隆 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究グループ長 (80450667)
大島 良美 国立研究開発法人産業技術総合研究所, その他部局等, 研究員 (00722951)
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研究期間 (年度) |
2013-06-28 – 2018-03-31
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キーワード | 植物 / シグナル / 発生 / 転写因子 / ペプチド / 内鞘細胞 / 道管 / 気孔 |
研究成果の概要 |
気孔と道管は共に水の通り道である。ペプチド性シグナル分子CLE9/10が受容体HSL1・共受容体SERK複合体に結合して気孔数を制御すると共に、受容体BAMに結合して道管数を調節していることを明らかにした。植物の側根原基形成の場である内鞘細胞のアイデンティティー決定のマスター転写因子も見出した。また、気孔細胞系譜の発生を調節するプログラムされた情報伝達系は、環境に応答した細胞内情報伝達からのシグナルを取り込むことにより、環境に応じた発生の調節を行っていることを明らかにした。
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自由記述の分野 |
植物科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
一つのシグナル分子が細胞によって違った受容体によって受容され、別の発生過程を制御することを生物学的および生化学的に示した。これは植物では初めての報告であり、発生を制御するシグナル伝達における重要な概念となった。側根原基は内鞘細胞から作られるが、その内鞘細胞のアイデンティティー決定の仕組みを明らかにした。植物は広く根系を展開するが、その元となる細胞の形成の仕組みの発見と言える。また、気孔細胞系譜を支配する情報伝達系が水供給の情報を統合して自らを調節する仕組みの解明は、遺伝学的にコードされた発生制御プログラムと環境情報の統合の仕組みの一端を明らかにしたもので、学術的意義が高い。
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