計画研究
記憶は想起に伴い脆弱化するが、その後、再固定化のプロセスを経て再び安定した記憶になる。本研究では、想起に伴う脆弱化・再固定化を記憶ダイナミズムの代表例として取り上げ、脆弱化・再固定化のメカニズムをin vivo LTP再固定化系とオートファジー制御系を用いて明らかにすることを目指してきた。また、記憶エングラムと逆行性健忘の関係の解明も主要な目的であった。さらに、生後脳の神経新生が海馬の記憶容量確保に果たす役割を明らかにすることも目指した。最終年度の本年度は、これら3つの研究テーマをまとめ、下記に示す結果を得ると共に、いずれも論文としてまとめ、下記に記載の学術誌に公表(あるいは印刷中)した。1.オートファジーは、記憶エングラム細胞のシナプス膜上に存在するAMPA受容体を分解することで、想起に伴う記憶脆弱化を誘導することを明らかにした。この成果を論文にまとめ、Journal of Neuroscience誌に発表した。2.タンパク質合成阻害剤が引き起こす逆行性健忘は、記憶痕跡(記憶エングラム)そのものの消失によるものであることを、音恐怖条件付け課題と光遺伝学・光電気生理学を駆使して明らかにした。得られた研究成果に関する論文はScience誌に印刷中である。3.海馬依存的な学習課題を用いて、繰り返しLTP誘導による海馬神経回路の飽和状態は、神経新生により回復することを明らかにした。どのように制御されているかを解析する。この成果をまとめた論文は、Journal of Neuroscience誌に印刷中である。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (21件) (うち国際学会 12件、 招待講演 12件) 図書 (2件) 備考 (1件)
The Journal of Neuroscience
巻: 38 ページ: 3809~3822
https://doi.org/10.1523/JNEUROSCI.3505-17.2018
J Neurosci.
巻: - ページ: 印刷中
https://doi.org/10.1101/200253
Neurobiology of Learning and Memory
doi.org/10.1016/j.nlm.2018.03.010
Science
in press
脳科学辞典(オンライン辞典)
巻: - ページ: -
10.14931/bsd.7426
10.14931/bsd.7435
http://www.med.u-toyama.ac.jp/bmb/index-j.html