脳老化のメカニズムを解明するために、アルツハイマー病モデルマウスを用いた研究ならびに健康高齢者を対象とした研究を実施した。加齢による脳機能低下に脳組織内の炎症反応が深く寄与することを見出した。脳内に炎症反応が生じると、グリア細胞(アストロサイトやミクログリア)では炎症性サイトカインの産生が亢進し、脳血管においては脳血管関門の機能が低下する。このような変化により、各ニューロンにおいてはシナプス機能が低下し、神経回路ネットワークが変調し、記憶機能や認知機能が低下することが判った。学習・記憶機能の低下メカニズムを調べるために、マウスの脳回路活動を可視化するオペラント学習タスクfMRI研究を行った。
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