1. 生細胞多色蛍光1分子イメージング超解像顕微鏡と、超解像ナノ解析・分子動態と相互作用定量化法の開拓。1-1. 動的クロマチン研究のため、1分子顕微鏡法・PALM/STORM超解像法・生細胞多色同時観察の融合、高解像度化、操作性向上を行った。1-2. 1分子軌跡追跡を用いた新しい定量解析方法として、移動部分軌跡解析(moving subtrajectory analysis)を開発した。分子動態を時間と場所両方の関数として定量化することと、分子間の結合と解離の速さを1分子の動きのみから求めることを、始めて可能にした。1-3. 1分子動態と超解像分子局在の相関融合解析法を開発した。 2. ヌクレオソームとRNAポリメラーゼの生細胞動態の分子動態・局在・相互作用を解析し、新しい描像を得ることを実現した。 3. ヒストンバリアント生細胞動態。生細胞1分子超解像同時観察法とFRAP法を併用し、ヌクレオソームと転写状態の関係のヒストンバリアントによる違いの解明を行った(胡桃坂班・木村班・大川班と共同研究)。 3.核小体の液相特性。多層の液相からなる核小体の中間相と最外相に局在するタンパク質分子を蛍光1分子イメージングし、1分子軌跡追跡法により、相による1分子動態の違いを明らかにした(斉藤班と共同研究)。 4. 転写制御タンパク質の生細胞動態。1分子超解像法とFRAP法により、転写制御メディエーターMed26とドメイン欠失変異体、転写伸長制御因子NELFとDSIFに関し、動態・局在と転写制御機能の関係を明らかにした。 5. クロマチンリモデリング複合体生細胞動態。1分子観察とFRAP法により、アクチン関連分子Arpとクロマチンリモデリング複合体サブユニットIno80の動態定量解析を行い、ATP作用機序と構成分子の役割に関しINO80複合体の新しい描像を得た(原田班・木村班と共同研究)。
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