研究領域 | 動的クロマチン構造と機能 |
研究課題/領域番号 |
25116008
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
米田 悦啓 大阪大学, 生命機能研究科, 招へい教授 (80191667)
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研究分担者 |
岡 正啓 大阪大学, 生命機能研究科, 助教 (40432504)
安原 徳子 (垣内 徳子) 大阪大学, 生命機能研究科, 特任研究員 (90423152)
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研究期間 (年度) |
2013-06-28 – 2018-03-31
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キーワード | 細胞・組織 / クロマチン / ヌクレオポリン / 核輸送因子 |
研究概要 |
本研究では動的クロマチン構造と核輸送因子・核膜孔構成因子(ヌクレオポリン)の機能的な相互作用を解明し、それらの細胞増殖や細胞分化、あるいは細胞がん化などの病態メカニズムとの関わりを明らかにすることを目指す。さらにこれらの知見を活かした新規治療法の開発へと研究を発展させる。平成25年度は白血病の病因因子であるヌクレオポリンNup98融合タンパク質Nup98-Hoxを発現する培養細胞を用いて、Nup98-Hoxが結合しているゲノム領域の解析を行った(大川班との共同研究)。引き続き解析を行いNup98融合タンパク質とクロマチン構造の相互作用を明らかにしてゆく。また、Nup98融合遺伝子で保存されているNup98FGリピート領域の変異体を作成し機能解析を進めた結果、Nup98FGリピート領域がNup98融合タンパク質の局在や機能に重要であることが分かった。一方、核輸送因子とクロマチンの相互作用を解析するため、ChIP-seqにより培養細胞においてimportin α1が結合するクロマチン領域の特定を行った(大川班との共同研究)。これにより、importin α1がクロマチンと有意に結合することが示唆された。現在、これらの領域について結合様式を調べつつある(胡桃坂班との共同研究)。以上ように平成25年度は領域内の研究連携体制を確立しつつ研究の準備が進められ、今後の研究の具体的な方向性を定めることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
25年度は当初の計画通り、培養細胞においてNup98-Hox融合タンパク質やimportin α1が結合するクロマチン領域の特定を行うことができた。また、再構成クロマチンを利用したin vitroの系でimportin α1とクロマチンの相互作用の解析を進めており、おおむね順調である。
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今後の研究の推進方策 |
今後はNup98-Hoxの結合部位の詳細な解析と共に、Nup98-Hoxがもたらすクロマチン動構造への影響を解析する。特にNup98-Hoxの機能と細胞がん化のメカニズムとの関連に着目して研究を進めてゆく(大川班、木村班との共同研究)。さらにimportin α1とクロマチンの相互作用が細胞分化や癌化にどのように関わるか、培養細胞を用いた分化モデル、癌化モデルのアッセイ方法を確立し、クロマチンの核内配置、動態、ヒストン修飾の分布など指標にして解析する(木村班、斉藤・原田班との共同研究)。
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