計画研究
本研究では動的クロマチン構造の制御に関わるタンパク質の核輸送メカニズムの解明やヌクレオポリン・核輸送因子とクロマチンの相互作用の解析を行い、その実体を明らかにすることを目指すべく、領域内連携を進めて研究を行っている。平成26年度は昨年度に引き続き大川、木村との共同研究でNup98-Hox融合タンパク質の細胞内動態の解析、およびその結合ゲノム領域の詳細な解析を行った。その結果、Nup98-Hox融合タンパク質は特定の染色体領域と強く相互作用を示すことが明らかとなった。また、Nup98結合タンパク質との相互作用がNup98-Hox融合タンパク質の機能、およびそのクロマチンとの相互作用に重要であることが分かった。また、大川との共同研究により、次世代シーケンス技術を使用して細胞分化や癌形成に関わる核輸送因子importin α1が特定のクロマチン領域に結合することを明らかにした。また、胡桃坂との共同研究によりimportin α1とDNAが直接相互作用することを、ヌクレオソーム再構成系を用いて明らかにした。さらに、斎藤、木村との共同研究により細胞イメージングを行い、importin α1とクロマチンの相互作用を解析した。このようにして、ヌクレオポリンや核輸送因子がクロマチンとの相互作用を通じ、遺伝子発現に働くことを明らかにしつつある。
2: おおむね順調に進展している
研究は当初の計画通りに進んでいる。またこれまでに、大川、胡桃坂、斎藤、木村、小布施と共同研究を進めており、領域内連携を図ることができている。
これまで得られた結果をもとに、今後は分子メカニズムの解明、個体レベルでの解析をめざし、研究計画を推進する。領域内連携はこれまでの共同研究に加え、小布施、徳永、山縣との共同研究を計画している。
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