計画研究
本研究では核―細胞質間の輸送を司る核輸送因子および核膜孔構成因子(ヌクレオポリン)とクロマチンの相互作用という視点から、クロマチン動構造の制御メカニズムを明らかにすることを目的とする。平成29年度は白血病発症に関わるヌクレオポリン融合遺伝子産物であるNup98-Hoxの結合因子探索を進め、複数の新規結合因子を同定した。現在、両者の結合の生理的意義について解析を進めている。また、これまでのNup98-Hox融合タンパク質の機能解析から、その機能発現にはNup98部位に加えてHox部位の機能も重要な働きを持つことが分かりつつある。そこでHox部位を様々なDNA結合ドメインに置き換えた変異体の解析を進めた。その結果、特定のDNA結合ドメインがNup98Hoxの核内ドット構造の形成や機能発現に重要であることが示唆された。また、核輸送受容体importin-alphaが輸送機能を介さずに遺伝子発現を変化させることを掴み、importin-alphaのクロマチン結合ドメインをほぼ突き止めた。今後、変異体を使用し、相互作用分子を探索してimportin-alphaクロマチン結合の分子メカニズムを探る。さらに、importin-alphaのノックダウンおよび強制発現による遺伝子の発現変化について、さまざまな細胞種および個体を用いた解析を進めた結果、importin-alphaのクロマチン結合が細胞活動に果たす役割が明らかになりつつある。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Proc Natl Acad Sci U S A.
巻: 6:115(6) ページ: E1214-E1220
10.1073/pnas.1719921115