計画研究
以下の4戦略により研究を進めた。【戦略1】Ca2+シグナル動態解析 アストロサイトCa2+動態の生体内可視化法と、神経細胞および血管平滑筋細胞の生体内Ca2+可視化法を組み合わせて、感覚入力または睡眠覚醒に伴う脳血流変化について解析を進めた。アストロサイトのCa2+シグナルは、青斑核からの投射によって制御され、グリアアセンブリとして脳の広範囲な血流制御に関与することを示す結果を得て、論文発表の準備を進めている。【戦略2】細胞内Ca2+放出機構解析 小胞体内腔Ca2+プローブ(G-CEPIA1er)をウイルスベクターによりグリア細胞選択的に発現させ、アストロサイトのCa2+シグナル動態における細胞内Ca2+放出の寄与を明らかにする解析を進めた。この結果、従来アストロサイトにおいて主要なCa2+放出チャネルとされていたIP3受容体2型以外にもCa2+放出経路があること、また、それが小胞体近傍のCa2+濃度を高めることを明らかにして論文発表準備中である。【戦略3】グリオトランスミッター可視化 新規ATPプローブを用いた生体内イメージングにより、大脳皮質拡延性抑制と脳梗塞に伴う細胞外ATP動態の比較解析を進めた。【戦略4】Ca2+シグナル阻害による摂動実験 IP3-Ca2+シグナルの選択的阻害により、グリアアセンブリにおけるIP3依存性成分の寄与を定量する目的で、IP3分解酵素をアストロサイト選択的に発現する遺伝子改変マウスを用い、戦略1の解析および下記の東北大との共同研究を進めた。領域内連携研究 支援班・小林憲太准教授(生理研)にウイルスベクターの作製を依頼し供給を受け戦略2の成果が得られた。公募研究・研究代表者・立川正憲准教授(東北大・薬)と、アストロサイト活動依存的な神経制御因子を探索するためアストロサイト・血管接合部の網羅的定量プロテオミクス解析を開始した。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Antioxid Redox Signal (in press)
巻: - ページ: -
10.1089/ars.2018.7498
Nat Neurosci
巻: 21 ページ: 625-637
10.1038/s41593-018-0109-1
Mol Pharmacol (in press)
10.1124/mol.117.111468