計画研究
統合失調症、自閉スペクトラム症、双極性障害のゲノム解析により、発症に強く寄与するゲノム変異をRTN4R、CX3CR1、ASTN2、AIF1 (IBA1)等のグリア関連遺伝子において同定し、それぞれのゲノム変異の生物学的意義を明らかにした。①Nogo受容体であるRTN4Rで同定されたゲノム変異は、in vitro機能解析からパートナー分子であるLINGO-1との相互作用の減弱をもたらし、神経細胞の生長円錐の形成に影響を与えることを明らかにした(Kimuta et al., Translational Psychiatry, 2017);②脳内免疫細胞ミクログリアにおいて発現するCX3CR1で同定されたゲノム変異は、脂質分子との相互作用低下により構造安定性を損うこと、Aktを介したシグナル伝達を阻害することを明らかにした(Ishizuka et al., Translational Psychiatry, 2017);③グリア細胞誘導性の神経細胞移動制御因子であるASTN2の欠失モデルマウスでは、社会性行動(Social interaction testなど)や衝動性(Cliff avoidance testなど)の亢進が認められ、精神疾患モデルとしての表現型が示された;④ 九州大学神庭と共同で、ミクログリア特異的に発現し脳神経系において免疫機能に関与しているAIF1の欠失患者からiPS細胞の樹立に成功した(ミクログリアへの分化と表現型解析は実施中)。以上の結果より、グリア関連遺伝子と精神疾患の関連性をin Silico解析、in vitro解析、モデル動物解析、iPS細胞解析と様々な解析方法を活用することにより明らかにし、グリア病態に基づいて精神疾患のサブグループを同定することができた。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 3件)
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