計画研究
菊水班と共同で、バソプレッシンがヒトの攻撃行動に及ぼす影響を2016年度に続き検討した。アルギニンバソプレッシン(AVP)をスプレーにより経鼻投与した群は、生理食塩水を投与した群と比べて、先制攻撃ゲームにおいて他者に対する攻撃行動を有意に増加させた。その効果は、個人ーペアによる意思決定、男性ペアー女性ペアにおいて共通して認められた。自然災害の被災者に対する援助行動が、情動の関与により非効率になる可能性について行動・認知実験を行った。経済モデルを用いて援助行動の効率性を厳密に定義できる実験パラダイムを開発し検討を行ったところ、予測通り、他者への援助場面では同一構造の課題を自分のために行う自己場面と比べて、コストを無視した過剰な介入により援助の効率性が低減すること、およびその傾向はDavisのInterpersonal Sensivity Indexにおける情動共感得点の高い参加者ほど顕著であることが明らかになった。村山班と共同でヒトの共感性および共感性と関連する信頼行動、向社会的行動などと、オキシトシン受容体やバソプレッシン受容体遺伝子を含む6つの遺伝子(OXTR rs53576, AVPR1A RS3, AVPR1A(GT)14, OPRM1 A118G, SLC6A4 5-HTTLPR, DRD4)との関連性に関する分析を行った。また、規範逸脱者に対する罰を人々がどのように評価するかを検討するために、西洋、中東、アジアを含む8カ国の学生を対象に実験を行った。その結果、人々は文化普遍的に個人罰よりも集団罰の方がより適切だと判断すること、ただし、個人主義的な文化の方がそうではない文化よりも個人罰に対する評価がより厳しいことが明らかになった。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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