研究領域 | 共感性の進化・神経基盤 |
研究課題/領域番号 |
25118007
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研究機関 | 麻布大学 |
研究代表者 |
菊水 健史 麻布大学, 獣医学部, 教授 (90302596)
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研究分担者 |
茂木 一孝 麻布大学, 獣医学部, 准教授 (50347308)
永澤 美保 麻布大学, 獣医学部, その他 (70533082) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2013-06-28 – 2018-03-31
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キーワード | マウス / 情動伝染 / 帯状回 / イヌ / オキシトシン / 涙 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,フットショックを用いた野生種マウス(MSM)における情動伝染様式の解析である.昨年度は尿と視覚情報によって、情動伝染が起こることを見出したが、それに加えて、聴覚情報の効果を調べた。ショックを受けているマウスの動画、尿、音声を再生すると、観察個体でフリージングが起こった。しかし、音声を遮断した場合でもその効果が持続し、マウスは音声を手掛かりに恐怖を感じていないと思われた。このことから、情動伝染のシグナルとして嗅覚情報と視覚情報が重要であることが示された. 同じ恐怖情動伝染モデルでは、他者の痛みを受容したマウスの前帯状皮質からすくみ行動の中枢であるPAGへの投射回路があることを実証した。具体的には、前帯状回にカルシウムセンシングで蛍光を呈するGCaMP6をもつアデノ随伴ウイルスベクターを用いて感染させ、痛み観察時における神経活動の上昇を見出した。また痛み観察個体では、前帯状回の神経細胞活性マーカーであるC-fosが有意に上昇し、その細胞の一部は中脳水道灰白質に投射していることが、逆行性トレーサーを用いた実験から明らかとなった。 最後に、ヒトとイヌの共感性を支える社会シグナルの同定を目指した。これまで、ヒトとイヌが視線を合わせることで、両者にオキシトシンが分泌されることを見出していた。またイヌが飼い主をみる行動を示す場合、両者間の情動伝染が起こることも見出した。そこで眼が情動の共有のシグナルとなっていると仮定し、特に情動的な涙の機能に着目した。飼い主との再開場面で、イヌが情動的な涙を出すことを見出し、この涙はオキシトシンを介することを明らかにした。また涙腺の平滑筋に多くのオキシトシン受容体が発現し、オキシトシンが作用することで、筋収縮がおこり、涙がでることを見出した。
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現在までの達成度 (段落) |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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