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2014 年度 実績報告書

共感性の神経回路基盤の解明

計画研究

研究領域共感性の進化・神経基盤
研究課題/領域番号 25118009
研究機関奈良先端科学技術大学院大学

研究代表者

駒井 章治  奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 准教授 (50420469)

研究分担者 池田 和司  奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (10262552)
研究期間 (年度) 2013-06-28 – 2018-03-31
キーワード行動解析 / コンピュータビジョン / 共感性 / 社会行動 / 神経回路解析
研究実績の概要

共感性の神経回路基板の解明を目指し、一連の共感行動に関連した神経活動を同定する目的で、行動を小さなピースに分解し、同行動ピースと関連する神経活動の同定を試みている。まず初めに「共感行動」という一連の行動を小さなモーションに分解するために、コンピュータビジョンを用いて動物の特徴量を自動的、且つ客観的に同定し、これを統計学的にカテゴリー化した。共感行動の中でも最もプリミティブであると考えられる「情動伝染」を手始めに分割を試みた。マウスを用いて、情動伝染活動中の活動をビデオカメラで捉え、多く平面で活動するマウスの活動をトラッキングにより同定し、重心の移動、体長(体幹の伸縮)、首の向きを主な特徴量として数値化を行った。これをノンパラメトリックベイズ法によりモデルを推定することにより、事前定義されていない行動を検出することが可能であることが明らかとなった。このことは「共感行動」という多くの未知のモーションが含まれる一連の行動を分解することに有効であり、今後の神経活動との関連を検討するために非常に有効であることが示唆される。
ネズミは四足動物であるので、比較的平面上での活動が多く、情報からの撮影で多くの情報を得ることができた。しかし、この先トリやイヌ、サルやヒトの行動を同様に評価することを考えると、やはり3次元空間の中で特徴量抽出する手法を検討せざるを得ない。違う種間で共通の「共感行動」について議論をする必要が有るためである。そこで、3次元空間の中で動物行動の特徴量を抽出し、これをカテゴリー化するためにCHLAC法を用いた特徴量抽出を試み、その後注目すべき部分に絞っていくという一連の解析の流れを検討した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

共感性の神経回路基板の解明を目指し、一連の共感行動に関連した神経活動を同定する目的で、行動を小さなピースに分解し、同行動ピースと関連する神経活動の同定を試みている。
本学動物飼育施設が空調工事のために閉鎖されており、利用ができなかったこと、教授の退職により研究室の引っ越しや改装により手が止められたことにより若干の遅れを持って進んでいる。
現在までのところ、CHLAC法を用いた特徴量抽出の再実装に成功しつつある。ネズミのみならず最終の目標の一つであるヒトの行動解析にも適応するためにヒトでの脳活動計測、視線計測の準備を進めている。
光遺伝学に用いるウイルスベクタに関しては感染効率の上昇に務めた。

今後の研究の推進方策

ネズミは四足動物であるので、比較的平面上での活動が多く、情報からの撮影で多くの情報を得ることができた。しかし、この先トリやイヌ、サルやヒトの行動を同様に評価することを考えると、やはり3次元空間の中で特徴量抽出する手法を検討せざるを得ない。違う種間で共通の「共感行動」について議論をする必要が有るためである。そこで、今後は3次元空間の中で動物行動の特徴量を抽出し、これをカテゴリー化するような手法を確立することを検討している。以前利用していたCHLAC法により再度「共感行動」の中でも最もプリミティブであると考えられる「情動伝染」を一連の行動を小さなモーションに分解し、統計学的にカテゴリー化することで小さなモーションに分解しより注目すべき点を検出することを試みる。その後、注目した特徴量を抽出しやすい方法を組み合わせることにより詳細な行動解析を実行できる一連の行動イメージングを検討する予定である。
更に、神経活動という点においては、前帯状回や扁桃体の活動を光遺伝学的に抑制することで共感行動の変容を検討することを予定している。ウイルスベクタ発現のためのプロモータはほぼ出揃ったのでタイターをより高めるとともに、光学装置の設置や光学操作を行いながらの行動課題を検討する必要があると考えている。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Mouse ability to perceive subjective contours.2016

    • 著者名/発表者名
      Okuyama-Uchimura, F. and Komai, S.
    • 雑誌名

      Perception

      巻: 45 ページ: 315-327

    • DOI

      10.1177/0301006615614440

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Kinect- based posturography for in- home rehabilitation of balance disorders2015

    • 著者名/発表者名
      Tomoya Tamei, Yasuyuki Orito, Hiroyuki Funaya, Kazushi Ikeda, Yohei Okada, Tomohiro Shibata
    • 雑誌名

      APSIPA Transactions on Signal and Information Processing

      巻: 4 ページ: e17

    • DOI

      10.1017/ATSIP.2015.17

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Variational Bayesian inference algorithms for infinite relational model of network data2015

    • 著者名/発表者名
      Takuya Konishi, Takatomi Kubo, Kazuho Watanabe, Kazushi Ikeda
    • 雑誌名

      IEEE Trans. Neural Networks and Learning Systems

      巻: 25 ページ: 2176-2181

    • DOI

      10.1109/TNNLS.2014.2362012

  • [学会発表] In- Home Measurement System of User’s Motion and Center of Pressure2015

    • 著者名/発表者名
      Tomoya Tamei, Yasuyuki Orito, Tomohiro Shibata and Kazushi Ikeda
    • 学会等名
      APSIPA- ASC
    • 発表場所
      Hong Kong
    • 年月日
      2015-12-16 – 2015-12-19
    • 国際学会
  • [学会発表] Kinematic and Dynamic Analysis of Sit- to- Stand Transfer Using Hand- to- Hand Assistance by Therapists of Different Skill Levels2015

    • 著者名/発表者名
      Lao Bryan, Tamei Tomoya, Kazushi Ikeda
    • 学会等名
      計測自動制御学会 システム・情報部門 学術講演会
    • 発表場所
      函館アリーナ(北海道・函館)
    • 年月日
      2015-11-18 – 2015-11-20
  • [学会発表] ガウス過程識別器に基づく視線行動からの 運転熟練者と非熟練者の識別2015

    • 著者名/発表者名
      張祖杰,久保孝富,渡辺仁,池田和司,柴田智広,坂東誉司,人見謙太郎, 江川万寿三
    • 学会等名
      計測自動制御学会 システム・情報部門 学術講演会
    • 発表場所
      函館アリーナ(北海道・函館)
    • 年月日
      2015-11-18 – 2015-11-20
  • [学会発表] ディープニューラルネットワークの入力符号化能力の情報理論的評価2015

    • 著者名/発表者名
      古庄泰隆,久保孝富,池田和司
    • 学会等名
      計測自動制御学会 システム・情報部門 学術講演会
    • 発表場所
      函館アリーナ(北海道・函館)
    • 年月日
      2015-11-18 – 2015-11-20
  • [学会発表] Information Theoretical Analysis of Deep Learning Representations2015

    • 著者名/発表者名
      Yasutaka Furusho, Takatomi Kubo, Kazushi Ikeda
    • 学会等名
      International Conference on Neural Information Processing
    • 発表場所
      Istanbul, Turkey
    • 年月日
      2015-11-09 – 2015-11-13
    • 国際学会
  • [学会発表] “BEHAVIORAL IMAGING” FOR ANALYZING COMPLEX BEHAVIOR2015

    • 著者名/発表者名
      Shoji Komai, Jin Watanabe and Yusuke Suzuki
    • 学会等名
      IBRO2015
    • 発表場所
      Rio de Janeiro, Brazil
    • 年月日
      2015-07-10 – 2015-07-10
    • 国際学会
  • [図書] 情動の進化2015

    • 著者名/発表者名
      駒井章治(渡辺茂・菊水健史編)
    • 総ページ数
      192
    • 出版者
      朝倉書店

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公開日: 2017-01-06  

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