研究実績の概要 |
単発刺激と運動刺激の相対時刻を操作し、各々において単発刺激とランダム刺激との時空間関係を知覚課題とし、心理物理データを時空間相関図として描き、課題遂行に関わる相関のピークを特定することで、処理の同時性を同定した (Murai & Murakami, 2014)。また、内発的・外発的注意を操作し、ノイズ存在下での絶対閾を計測し、分解能に及ぼす注意の効果を見た (Osugi & Murakami, 2014, Vision Res.)。探索画面の呈示と同時タイミングで背景にダイナミックノイズを呈示すると視覚的印付けが壊れることを見出した (Osugi & Murakami, in press, Vision Res.)。実時間でMEG後頭α波形に基づいたニューロフィードバックを観察者に与えることにより、フィードバック訓練後の視覚検出成績に影響が及ぶことを発見した (Okazaki, Murakami et al., 2015, NeuroImage)。長距離離れた周辺刺激によって中心刺激のコントラスト知覚が影響を受けるが、それは両刺激をほぼ同時呈示した際に効果が最大となることがわかった (Ishibashi, Okazaki, & Murakami, 2013)。視野周辺の一定位置に標的を起き、その周辺に複数の妨害刺激を配することで、標的刺激の知覚的位置の変容が生じるが、そのような修飾作用は標的刺激呈示後の一定の時間窓の中で周辺妨害刺激を呈示する際に生じることがわかり (寺尾・村上, 2014)、かつ標的への急速な眼球運動を起こす際に位置錯視と同様な位置エラーが生じることがわかった (Terao & Murakami, 2014)。フリッカ刺激を観察すると主観的持続時間が拡大するが、その効果が生じるために最適な時間周波数成分が同定された (橋本・四本, 2014)。
|