計画研究
本研究では下記3課題を対象に、要素技術の研究開発を加えた研究を実施した。課題1.脳卒中:先年度までに実施した健常者と脳動脈瘤を対象とした研究に加えて、血管狭窄や細い側副血行路を有するモデルとしてモヤモヤ病を対象とした研究を実施した。その結果、従来の高速化撮像法とスパースモデリングによる高速化撮像法の間でモヤモヤ病の病期診断はほぼ一致することを明らかにした。さらに同法では、同等の撮像高速化では側副血行路の描出が有意に良好であるとともに、従来法の2倍近い撮像高速化を行った場合でも、細い側副血行路の描出はほぼ同等であることを示した。これらは診療用3テスラMRI装置における結果である。これに加えて最新の7テスラMRI装置において、モヤモヤ病で見られるような拡張を伴わない細い穿通動脈枝の描出改善を実施して、加齢や高血圧、糖尿病などにより生じる変化の研究を進めている。課題2.心筋梗塞:計画研究・非線形班の日野らと共同で進めてきたスパースモデリング法を活用した超解像技術の研究により、従来の超解像法よりも正解値に近い結果が得られることが判ってきた。データの収集時間を短縮でき、非造影MRアンギオグラフィによる冠動脈描出の臨床応用を広げる可能性が見えてきた。課題3.ガン:乳癌では、スパースモデリングによる撮像高速化により3秒前後という高時間分解能での乳腺ダイナミック造影検査を実用化した。これによりモデルベースの解析に依らずとも、ガンの造影とともにその栄養動脈・流出静脈を早期に捉えることで、より造影が遅延する正常乳腺組織・良性乳腺腫瘍との鑑別が可能なことを示した。これは乳腺全体を対象とした従来の乳癌診断には無い新たな手法である。また脳腫瘍では、撮像高速化により得られるMRI画像コントラストの多様化を視野に、多様なガンの特徴を捉えて、それらを精度よく鑑別するスパースな指標を探索する研究を進めた。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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