研究領域 | スパースモデリングの深化と高次元データ駆動科学の創成 |
研究課題/領域番号 |
25120006
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
宮本 英昭 東京大学, 総合研究博物館, 准教授 (00312992)
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研究分担者 |
杉田 精司 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (80313203)
栗谷 豪 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (80397900)
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研究期間 (年度) |
2013-06-28 – 2018-03-31
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キーワード | 隕石 / 小惑星 / 探査 / スパースモデリング / 反射スペクトル / 全岩組成 / データベース |
研究実績の概要 |
当初予定通り、(1)隕石の元素組成データベースの構築に向けた検討と、(2)スペクトル・データベースの構築に向けた検討の、2つの方向性の研究を推進した。 (1)については、特に極地研究所で作成しているデータベースを中心として、Jarosewitchらのデータベースとの対比と共に、本研究の目的である「出版データを利用した巨大なデータベース」の構築に向けた項目の抽出を行った。なおこの部分は、平成26年度にほぼ完成している。 (2)について、データベースを構築するために必要な要素を検討した。まず既に公開されているデータの収集を開始し、データベース化の基礎とした。さらに既存のデータでは足りない部分を自前のシステムで計測するために、幅広い波長域に対して連続的でかつ簡便に計測が行えるシステムの検討を行ったところ、例えば熱真空チャンバーなどについても広く検討を行ったうえでシステムを立ち上げた方が、はるかに科学的に意義深いという結論に至った。 こうした理由から、平成26年度に研究費を繰越して分光計測の機器についての検討を続けた。その結果、小惑星の表面スペクトルの進化を正しく理解するためには、レーザー照射実験と分光計測を行うことが極めて重要であることが理解できので、そのための測定機器の構築を行った。既にこれを用いた実験も行い、小惑星イトカワの多バンドスペクトルの主成分解析から得られたスペクトルの地域分布の第一主成分が、レーザー照射で得られる普通隕石のスペクトル変化と非常に良い一致を示すことを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上述の通り、反射分光計測を行うシステムの導入に当初想定していたものと異なる要素も含めて、より科学的に価値の高いデータを得るための方策を検討したために、この部分について1年間繰越して研究を進めることとなった。結果的に、レーザー照射実験との比較が行えるなどシステムの自由度が増し、一方で数多くの標本について短時間で計測が行える計測システムの構築を行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
当初予定していた通り、隕石組成データベース、隕石反射スペクトルデータベース、および小惑星反射スペクトルデータベースの構築を進め、それぞれの統計解析を行う(当初予定通りで特に変更はない)。
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