研究領域 | スパースモデリングの深化と高次元データ駆動科学の創成 |
研究課題/領域番号 |
25120006
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
宮本 英昭 東京大学, 総合研究博物館, 准教授 (00312992)
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研究分担者 |
杉田 精司 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (80313203)
栗谷 豪 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (80397900)
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研究期間 (年度) |
2013-06-28 – 2018-03-31
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キーワード | 隕石 / 小惑星 / 探査 / スパースモデリング / 反射スペクトル / 全岩組成 / データベース |
研究実績の概要 |
本年度は(1)隕石の元素組成データベースの構築と,(2)隕石や小惑星のスペクトル・データベースの構築に向けた研究を行った. (1)に関して,これまでに査読論文として出版されている全ての論文を調べ,その値をデータベース(DB)化した.5,000個以上の試料数に対し80元素以上についての60,000個以上の分析数があった.これらは同時に収集した先行研究によるDB,大きなものではJarosewichらによる1990年に報告されたデータベース(252試料,16元素)とNIPRによる1995年に報告されたもの(520試料,15元素)を大きく凌駕する世界最大の隕石元素組成DBとなった.全岩組成データのみを用いたウォード法によるクラスター解析を行い,従来の岩石学・鉱物学による分類と極めて調和的なクラスター化が可能であることが明らかにした.更に主成分分析の負荷行列からクラスター解析における本質的な元素の抽出を行い,Si, Na, Ca, Mg, Feという5つの元素が最も代表的なパラメータであることを明らかにした. (2)に関し,小惑星のスペクトルを本研究の目的に応じて解析するには,①小惑星の反射スペクトルDBのみならず,②それを構成している物質と考えられる隕石の反射スペクトルDB,さらに③それを構成している鉱物の反射スペクトルDBという3種類の反射スペクトルDBを構成する必要がある.①として2000年~2012年において公表された370個の観測データ,②として32種類の隕石に対する744個のスペクトル,③として大きく4種類の鉱物に対する175個のスペクトルをまとめたものを,それぞれDB化している. こうした研究成果を国内学会のみならず3つの国際会議での発表し,その内容を隕石学分野における代表的な国際誌へ論文として投稿した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究は(1)隕石の元素組成データベースの構築、(2)反射スペクトル・データベースの構築、(3)それらのスパースモデリングによる解析という3つの課題を掲げていた。当初の予定した3課題ともに想定以上のペースで研究成果が得られており、特に課題1については既にほぼ目的は達したといえる。課題1については、隕石学の代表的な国際誌に論文を投稿しており、課題2についても投稿準備段階にあり、計画以上に親展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
当初予定していた計画よりも(課題1)が順調に進み前倒しして目標を達成できているため,平成27年度以降については(課題2)および(課題3)に重点的に取り組む.(課題1),(課題2)については,(課題3)でも必要となるスピンオフの副課題も設定するが,研究プロジェクトとしては(課題3)の手法開発に特に労力を集中する.
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