計画研究
小惑星と隕石との対応関係について、予備知識を使うことなく、客観的に明らかにすることを狙い、隕石組成、小惑星・隕石の反射スペクトルの3つのデータベースを作製し、それぞれについて解析を行った。まずは国立極地研究所が公開しているデータを対象にクラスタ解析を行い、本質的な元素の選別と共に、自動的にタイプ別の分類が行えることを示した。同様の傾向が、本研究で作られた世界最大のデータベースとなった隕石組成データベースにおいても確認することができた。小惑星・隕石双方のスペクトルについては、信頼度に応じて波長域を揃えリサンプリングした形でそれぞれについてデータベースを構築した。スペクトル同士の類似度を定量的に評価するための尺度として,スペクトルをベクトルと見なし、そのベクトル間の距離を計算した。その後次元圧縮法を用いて低次元空間において可視化を行った結果、多少のパラメータに依存性はあるものの、基本となるクラスター構造はあまり変化することなく、予備知識を与えなくても現実的にマッチングが行えることを明らかにした。つまり本研究の手法によって、初めて主要な隕石・小惑星の反射スペクトルの対応関係を定量的に可視化することができたともいえる。さらに互いに共通した潜在的クラスタ構造があるというデータ分析的な結果が得られ、高精度で対応関係を明らかにすることができた。成果は火星衛星探査計画(MMX)の創出につながり、シミュラント開発という思わぬ成果につながった。これははやぶさ2計画にも利用され、今後の探査計画にも重要な役割を果たすと期待される。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2018 2017 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 2件、 査読あり 5件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 5件、 招待講演 1件)
エネルギー・資源
巻: 39 ページ: 119-123
Astron. Astrophys
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
Icarus
巻: 300 ページ: 227~248
10.1016/j.icarus.2017.09.004
巻: 300 ページ: 341~359
10.1016/j.icarus.2017.09.011
巻: 299 ページ: 386~395
10.1016/j.icarus.2017.08.016
巻: 295 ページ: 140-148
10.1016/j.icarus.2017.06.003
Appl. Spectroscopy
巻: 71 ページ: 1969~1981
10.1177/0003702817701941