計画研究
今年度は、ブラックホール撮像に挑戦可能な超高分解能観測データを取得するため、ALMAを含めた国際ミリ波VLBIの観測を初めて実行した。具体的には2017年4月上旬に世界6カ所(米国アリゾナ、ハワイ、メキシコ、チリ、南極、スペイン)の8台の望遠鏡からなるネットワークを用いた観測を国際協力で実現し、ブラックホール撮像ターゲットであるいて座A*およびM87の2天体を主目標とする観測を5晩にわたっておこなった。さらにそのデータの評価・キャリブレーションを進め、全基線で良質なデータが得られたことを確認した。そして、キャリブレータ―天体で試験的なイメージングを実行し、スパースモデリングを用いて国際ミリ波VLBI観測データから世界最高分解能の電波写真を得ることにも成功した。現在、いて座A*およびM87のデータについても解析を進めており、ブラックホールの直接撮像の実現まであと一歩のところまで到達している。また上記の活動に加えても、スパースモデリングによるイメージング手法のアップグレードも継続して論文にまとめた。具体的には偏波によるイメージングについて論文を出版したほか、より自然な画像の復元を目指して画像の微分値をスパース化する新たな項としてTSV(Total Squared Variation)を制約項とする手法を開発し、論文として投稿した。また、スパースモデリングの実データへの適応も進め、M87のジェットをこれまでで最も根本に近いところまで分解することに成功し、その結果を論文として投稿した。さらに、ブラックホール撮像に加え、スパースモデリング天文学の新展開としてAGNジェットの光学偏波変動解析や激変星の光度変動解析などの分野でも関連する成果を出版した。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
ミリ波サブミリ波VLBI http://www.miz.nao.ac.jp/submilli/topスパースモデリング天文班のページ http://sparse-modeling.jp/program/A02-3.html
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