研究領域 | スパースモデリングの深化と高次元データ駆動科学の創成 |
研究課題/領域番号 |
25120009
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岡田 真人 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (90233345)
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研究分担者 |
田中 和之 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (80217017)
村田 昇 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (60242038)
井上 真郷 早稲田大学, 理工学術院, 准教授 (70376953)
永田 賢二 東京大学, 新領域創成科学研究科, 助教 (10556062)
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研究期間 (年度) |
2013-06-28 – 2018-03-31
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キーワード | スパースモデリング / 潜在構造 / スペクトル分解 / ブラインドセンシング / ベイズ推論 |
研究実績の概要 |
大量の高次元観測データが得られる一方で,データの肥大化により,研究者の直感的行為である思索や試行錯誤が追いつかなくなり,科学の実践に必須の仮説/検証ループに基づくモデル化が著しく困難になっている.本計画研究では,この困難をスパースモデリングにより解決し,生物学・地学における実験・計測データから,系の潜在構造としての物理特性を抽出する普遍的手法を開発する.平成27年度では,対象とする3つの課題のうち,1つに着手するとともに,新たな課題を設定し,遂行した. 【課題2】ブラインドセンシング(BS)を用いたモデリング 自然科学ではデータが希少であり,基底を一から学習する従来のBSを適用できない場合が少なからず存在することが明らかになった.そうした背景に基づき,本年度では,過完備基底による次元削減に着目し,その性能解明を統計力学的解析を利用することで行った.その結果,過完備基底を用いると,従来利用されている貪欲法や凸緩和法に比べ,誤差と削減率の点で性能に優れることが明らかになった. 【課題4】情報処理の結果の妥当性を判断する枠組みの構築 課題2でも述べたが,研究を遂行する上で,データや計算資源が少ないために,SpMが機能しない場面に直面した.こうした現状を鑑み,SpMの適用限界を解明する必要性から本課題を設定した.具体的には,ベイズ推定と統計力学の共通点に着目し,ベイズ比熱という量を定義し,データ数やノイズレベルを変化させたときに,推定の成否が変わる場所で比熱が発散するケースを発見した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究遂行の状況を鑑み,新たな研究課題を設定し,それに対して,ベイズ比熱という量を導いたことは,当初計画では予定されておらず,計画以上に進展している.
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今後の研究の推進方策 |
引き続き,3つの課題に基づき研究を遂行し,実験・計測グループの計画研究や公募研究と共同し,成功事例を多く作り上げる.また,昨年度の追加配分により購入した眼球運動装置を利用し,全状態探索により得られた特徴量の可視化結果観察中の眼球運動を計測することで,精緻に可視化手法の性能を評価する.
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