計画研究
本研究では独自の二次元集合化能力をもつ分子モチーフを用いて巨視的にも構造異方性と完全性を有するπシステムを造形し、ここに様々なπ電子ユニットを組み込んで異方的に機能集約・増幅させることで発現する新現象・新機能を探求することを目的としている。平成30年度も引き続き、様々な基板上で高秩序大面積薄膜を与える三脚型トリプチセンを基盤とした研究とともに、この分子系の強力な構造化能を活かして表面機能化、高分子機能化への展開を行った。主な成果として、Zojer教授・Zharnikov教授、多田・木口ら(領域内研究者)とともに、金表面を高密度かつ高規則的に修飾できるトリプチセンを開発し、J. Am. Chem. Soc.誌およびJ. Phys. Chem. C誌に報告した。本研究の一連の成果と関連研究を超分子足場の観点から総説としてまとめ、Chem. Sci.誌で発表した。また、汎用高分子であるPDMSの両末端にトリプチセン機能団を導入したテレケリックポリマーを合成したところ、このPDMSが、「二次元+一次元」の秩序構造を形成し、物理的性質が著しく向上することを見いだし、この成果はJ. Am. Chem. Soc.誌に報告した。上記に加え、本研究期間を通じてある種のトリフェニレン誘導体にキラルなアルキル側鎖を導入した分子の自己集合挙動を検討してきた。その結果、自発的超長距離構造秩序化、分子不斉により制御された回転流動、同程度の貯蔵弾性率と損失弾性率など、前例のない分子集合体の性質を見いだし、Nature Mater.誌で報告した。その他、Feringa教授との共同研究による自己集合性分子モーターからなる光アクチュエーターの研究(J. Am. Chem. Soc.誌で報告)などを加え、成果をまとめると、学術論文18件、学会発表50件となる。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2019 2018 その他
すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (18件) (うち国際共著 3件、 査読あり 18件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (49件) (うち国際学会 8件、 招待講演 20件) 備考 (4件)
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