研究領域 | π造形科学: 電子と構造のダイナミズム制御による新機能創出 |
研究課題/領域番号 |
26102014
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
足立 伸一 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 教授 (60260220)
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研究期間 (年度) |
2014-07-10 – 2019-03-31
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キーワード | X線構造解析 / 時間分解計測 / X線回折 / X線散乱 / X線分光 |
研究実績の概要 |
本研究グループは、π造形システムにおける分子集合体の精密構造解析、外場下構造解析、時分割回折実験を通じて、その物性の発現機構を構造的見地から明らかにすることを目的としている。本研究グループは、これまでに外場下の構造解析・構造変調の観測や、時間分解測定による構造の時間発展の観測を行ってきた実績があり、これらの手法を駆使し、本領域で新たに作り出されるπ造形システムの構造解析を進めている。研究手法としては、硬X線による回折・散乱実験が主となるが、硬・軟X線による吸収分光法 (XAS) により、元素選択的な電子状態の観測(価数、局所構造変化)、及びX線回折による平均構造の観測との同時測定などを適宜組み合わせて行う。 平成29年度は、引き続き装置の整備・高度化を進めるとともに、本領域A01、A02、A03班の研究グループとの共同研究を積極的に推進 した。主な共同研究先として、東工大・福島グループ、京大・関グループ、物質・材料研究機構・竹内グループ、千葉大・矢貝グループ、大阪大・櫻井グループ、名古屋大・忍久保グループ、名古屋大・竹延グループとの間で積極的な共同研究を進めている。これらの共同研究を基盤として、新しいX線実験装置の開発を進めると同時に、すでにこれらのグループとの共同研究に基づく研究成果として数報の査読付き論文を報告している。さらに他のグループとも領域会議等で打ち合わせを行い、適宜共同研究を開始している。最近では、新たに京都大・中野グループとの間で、有機電荷移動錯体単結晶の極低温における構造と物性に関する共同研究を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成29年度は、東工大・福島グループ、京大・関グループ、NIMS・竹内グループ、千葉大・矢貝グループ、大阪大・櫻井グループ、名古屋大・忍久保グループ、名古屋大・竹延グループ、京都大・中野グループとの間で共同研究を進めている。千葉大・矢貝グループとの共同研究では、KEKのX線小角散乱ビームラインを利用して、光照射によってらせん構造が形成したり解けたりする人工ナノ繊維の溶液構造に関する計測を行い、結果を取りまとめて、論文掲載に至った(Nature Comm.(2017))。京大・関グループ、大阪大・櫻井グループ、名古屋大・忍久保グループ、京都大・中野グループとの共同研究では、低温または高圧の外場条件下で単結晶構造解析を行い、分子構造の外場依存性に関する検討を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度の平成30年度は、本領域のA01、A02、A03班の研究グループとの共同研究をさらに推進し、本領域で新たに作り出されるπ造形システムの構造解析を推進する。すでに新たにπ造形システムの特異な物性に着目した構造研究に関する共同研究が進行中である。本研究の推進にあたって、引き続き、博士研究員1名が中心となって実験を進め、研究の迅速な展開を図る。
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