研究領域 | 宇宙の歴史をひもとく地下素粒子原子核研究 |
研究課題/領域番号 |
26104007
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
石徹白 晃治 東北大学, ニュートリノ科学研究センター, 助教 (20634504)
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研究分担者 |
平出 克樹 東京大学, 宇宙線研究所, 特任助教 (10584261)
梅田 秀之 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (60447357)
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研究期間 (年度) |
2014-07-10 – 2019-03-31
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キーワード | 超新星爆発 / 超新星ニュートリノ / 高性能電子回路 / 重力波 / アクシオン |
研究実績の概要 |
(1)KamLANDでは超新星ニュートリノ観測を維持するためにキャリブレーション時のデッドタイム低減を実現した。また、高速FADCと大容量メモリーを搭載した新型電子回路の開発を進めている。 (2)XMASSではコラボレーション全体の大きな判断により、2018年中に運転停止が決まった。一方で、SKは2018年中に水抜きのために大きなデッドタイムが予定されている。そのデッドタイム中の超新星ニュートリノ観測をXMASSで安定して行うためにランの切り替えを自動化するためにハードウェア・ソフトウェア両面の変更を行った。 (3)我々はfailed supernovaから出るニュートリノのスペクトルについてニュートリノ同士の相互査証を考慮したニュートリノ振動の効果を含めて調べた。そして、failed supernovaではニュートリノ同士の相互作用による振動の効果が高い物質降着により妨げられることがわかった。そのため、観測されるニュートリノ振動には物質効果のみが現れる。さらに, 我々は初期質量が120-260太陽質量という巨大質量星が進化した電子陽電子対生成型超新星におけるニュートリノ放出とその観測可能性について調べた。その結果、~260太陽質量の星が進化した超新星の場合に数イベント観測できる可能性があることがわかった。 (4)KamLANDやXMASSでは重力波イベント、特にNS-NS合体に同期したイベントバーストの探索を行い、その結果を論文にまとめているところである。また、太陽起源のエキゾチック粒子(カルツァ・クラインアクシオン)の探索をイベントレートの季節変動を通して行い、有意な信号は観測されなかったが、 世界で初めて実験的な制限をつけた。その結果がPTEPに出版された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね研究実施計画に基づく着実に進められているために、(2)おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今年度はSKでタンク補修のために大きなデッドタイムが計画されている。KamLANDとXMASSでは特にこのデッドタイム中の観測を確実に進めて行く。また、引き続き高性能電子回路の開発、超新星(前兆)ニュートリノの理論的研究、天体起源ニュートリノの観測を進めて行く。
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