研究領域 | 3D活性サイト科学 |
研究課題/領域番号 |
26105007
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研究機関 | 公益財団法人高輝度光科学研究センター |
研究代表者 |
木下 豊彦 公益財団法人高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門, 主席研究員 (60202040)
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研究分担者 |
大門 寛 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 教授 (20126121)
下村 勝 静岡大学, 工学部, 教授 (20292279)
室 隆桂之 公益財団法人高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門, 主幹研究員 (50416385)
松井 文彦 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 准教授 (60324977)
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研究期間 (年度) |
2014-07-10 – 2019-03-31
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キーワード | 光電子ホログラフィー / 顕微 / 放射光 / 時間分解測定 / サイト選択 / イメージング |
研究実績の概要 |
本年度は計画班内の試料班、応用班、さらには公募班で採用された方々に、実際に光電子ホログラフィー実験を実施することで、それぞれの研究テーマの進捗をはかり、ビームタイムが実施されなかった研究グループとも、今後の具体的な実施に向けての計画立案を行った。 応用班筒井Gとは、半導体Si中のAsサイトの研究が進捗したほか、東工大若林G、奈良武田Gとともに、MoS2薄膜の光電子分光による評価を進めている。 木下、大門、松井は、本領域の国際支援班にも加わっており、スウェーデンの放射光源MAX IVとの連携を進める打ち合わせを行っている。今後領域の研究者が積極的に共同研究などの交流を進め、SPring-8におけるビームタイムの不足分の研究も進行することを期待している。また、松井はスイスのSwiss Light Source(SLS)での実験により、領域研究を進めている。
新たな高分解能二次元光電子分析器として開発してきた阻止電位型光電子分析器においては、ワイヤーメッシュを用いた球面グリッドによりE/ΔE=1,000の分解能を確認した。例えば、価数の違いに起因するような比較的大きな化学シフトであれば、化学シフトを分離した光電子ホログラム測定が可能なレベルとなっている。現在、主に表面吸着系をターゲットとした装置整備を進めている。また、回転楕円面メッシュ二次元表示型光電子分光装置(DELMA)の開発をすすめ、SPring-8内の複数ビームラインでの利用が可能となった。昨年課題としたオフライン測定の環境整備もすすみ、時間分解測定の準備も整った。追加予算の配分を活用し、試料導入槽および試料バンク槽の改造を行い、嫌気性試料の取り扱いのために用意した真空槽接続グローブボックスの使い勝手の向上を達成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ビームタイムの確保に苦労しているものの、様々な連携研究が進み、装置の開発、測定環境整備も順調で、後は、微小領域測定、時間分解測定や、嫌気性サンプルへの応用など、当初からハードルが高いと予想されていた研究の実施が残されるのみとなった。残り2年間で目標を達成できるものと思っている。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度はマイクロビームの利用に向けた整備を進めていくとともに、さらなる連携研究や国際協力を発展させたい。 また、時間分解測定に向けて、実際の研究対象とするサンプルの候補はすでに絞っており、実際に共同研究をサンプル提供者に持ちかけている。ビームタイム確保の努力をしたい。触媒などの嫌気性サンプルへの対応も準備ができたので、実際の測定へ向けて実施をすすめていく。
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