計画研究
半導体のシリコン(Si)、シリコンカーバイド(SiC)、III-V族化合物半導体、層状物質半導体の硫化モリブデン(MoS2)等の活性サイトになる不純物の構造を光電子ホログラフィー等の本領域の評価手法を用いて明らかにし、デバイス高性能化のプロセス技術を提案することを目的としている。Si中にドープした不純物の砒素(As)では、前年度に光電子ホログラフィー法により三種類の異なる化学結合状態を持つAs原子のそれぞれの三次元的な原子配列構造を決めることに成功したのを受け、今年度は熱処理条件の異なる状況での構造解析と電気的活性化との関係で知見を得た。具体的には熱的非平衡度の高いフラッシュランプアニール(FLA)法を用いて活性化し、その後長時間アニールで状況が変化する様子を捉えた。FLAでは長時間アニールとは異なる構造のAsクラスターの形成が示唆され、また、FLAプロセス後の長時間アニールで活性状態から不活性状態に遷移する際にも特定のクラスター構造に変化することがわかった。SiCでは、MOSデバイスに重要なSiCと酸化膜界面に窒素(N)原子を導入して界面の電気的特性を向上させるプロセス技術において、N原子の置換位置を光電子ホログラフィー法で明らかにし、結晶面方位との関係も含めて、界面特性を向上させるプロセスの機構の理解が進んだ。MoS2の薄膜の特性制御の研究では、高純度スパッタ法の成膜技術を進化させた。光電子分光スペクトルに現れる微細構造の解析検討を進めた結果、フォノンと価電子帯との特徴的な相互作用が新たに見出され、さらにこれが膜中に含まれる酸化Moに起因することが明らかになった。これらの微視的な知見を取り込みながら成膜の高品質化が進み、集積型の電界効果トランジスタの動作にも成功した。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (27件) (うち国際学会 11件、 招待講演 15件)
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