| 研究領域 | 冥王代生命学の創成 |
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| 研究課題/領域番号 |
26106005
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| 研究機関 | 東京大学 |
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研究代表者 |
磯崎 行雄 東京大学, 総合文化研究科, 教授 (90144914)
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| 研究分担者 |
趙 大鵬 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (70304665)
鈴木 寿志 大谷大学, 文学部, 准教授 (60302288)
尾上 哲治 熊本大学, 自然科学研究科, 准教授 (60404472)
堤 之恭 独立行政法人国立科学博物館, その他部局等, その他 (00370990)
高畑 直人 東京大学, 大気海洋研究所, 助教 (90345059)
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| 研究期間 (年度) |
2014-07-10 – 2019-03-31
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| キーワード | 冥王代 / ジルコン / U-Pb年代 / カソード・ルミネッッセンス / 初期地球 |
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| 研究実績の概要 |
本研究計画の主目的である冥王代の地球最古ジルコンの探索において、火成起源結晶を変成起源のものから正確に識別することが不可欠である。その際に最も効果的な判別手段となるのが結晶内のオシラトリー累帯構造の有無である。それを容易に可視化できるのがカソード・ルミネッセンス観察装置であるが、これまでは他機関の設備を利用させてもらってきたが、そこでの機器の老朽化に伴い、作業に遅れが生じ始めた。そこで性能は十分ながら廉価版の機種を新規備品として選定し、購入を計画した。しかし、それを装着する既存装置との適合の技術的調整に時間を要した。そこで、H２７年に繰り越した課題として、サンユー電子社製SSM-7CLS型）を平成２７年度に新たに購入した。既存設備の走査型電子顕微鏡（JEOL6060型）に設置し、さっそく多数のジルコン粒子の観察を始めた。その結果、これまでの識別作業の効率が格段によくなり、とくに本研究目的にある冥王代ジルコンの探索に威力を発揮している。初年時に採取した北米の多数試料をはじめ、西オーストラリアやスカンジナビアから得た試料についても、極めて古い年代が期待されるジルコン粒子のみを効率的に判別できるようになり、引き続く詳細な放射性年代測定に無駄がなくなった。以上の結果、これまでに地球最古記録とならぶ年代（43.7億年前）の粒子を１０粒識別することが出来た。これまでに報告された総数は３粒のみである。またより若いとはいえ、４０億年前以前の冥王代の粒子の発見確率が大いに向上し、これまで物質科学的にはほとんど未知であった初期地球の時代について多くの新しい情報をもたらそうとしている。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新しくカソード・ルミネッセンス装置および別設備の設置によって、本計画の中で最も重要な課題として掲げてきた「地球最古物質の同定」に関して、予定したように大量の試料の検討が技術的に可能になった。
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| 今後の研究の推進方策 |
冥王代ジルコンの捕獲数は現在大幅に延びており、いまだ世界記録樹立には至っていないものの、この調子で研究を継続すれば、近いうちに地球物質として最古の年代をもつ粒子を発見出来ると期待される。今後は、従来から注目されてきた西オーストラリア産の地層試料やすでに入手した北米／北欧の試料のみならず、さらに世界の他地域で採取した岩石を積極的に検証することで、冥王代地殻物質の探索を進め、表層環境の推定にフィードバック出来る情報の獲得を目指す。
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