研究領域 | 冥王代生命学の創成 |
研究課題/領域番号 |
26106006
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
戎崎 俊一 国立研究開発法人理化学研究所, 戎崎計算宇宙物理研究室, 主任研究員 (10183021)
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研究分担者 |
飯高 敏晃 国立研究開発法人理化学研究所, 戎崎計算宇宙物理研究室, 専任研究員 (60212700)
佐々木 貴教 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教 (70614064)
塩田 大幸 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 特任助教 (90462192)
片岡 龍峰 国立極地研究所, 研究教育系, 准教授 (90462671)
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研究期間 (年度) |
2014-07-10 – 2019-03-31
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キーワード | 宇宙線 / 太陽物理学 / 地球・惑星内部構造 / 惑星起源・進化 / 生命起源 / 星間磁場 |
研究実績の概要 |
今年度の研究で原始惑星系円盤は、外部乱流領域(Outer Turbulent Region)、MRI不活発領域(MRI Inactive Region)、そして内部乱流領域(Inner Turbulent Region)に分けられることが明らかになった。静穏域の外側の境界には氷粒子が、内側の境界には岩石粒子が集積し、重力不安定を起こして、効率的に微惑星が形成される。このような惑星形成モデルにタンデム惑星形成と名付けた。研究成果は以下の様にまとめられる。 1)定常一次元モデルのパラメータ、特に質量降着率への依存性を調べ、タンデム惑星形成が起こる条件を明らかにした。 2)定常モデル円盤中での非定常な粒子成長をシミュレーションし、多くの場合内側と外側のMRIフロントの両方で、地球質量以上まで惑星が成長することを明らかにした。 3)惑星がガス円盤から受けるトルク公式を新しく導出し、それを用いて惑星の移動と成長をpopulation synthesisシミュレーションで通常の林円盤について計算した。その結果を系外惑星のデータと比較した。 4)A01班と協力して、生命が冥王代に普遍的にあったはずの自然原子炉の中で生まれたとするNuclear Geyser Modelを提唱した。またA05班を中心とした冥王代化学進化研究ワークショップを11/16、12/17、2/15、3/9に開催し、惑星形成と生命誕生についての議論を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
構築した一次元定常モデルをもとに、タンデム惑星形成の主要パラメータへの依存性を調べ、国内外の学会等で発表するとともに、論文を投稿した。
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今後の研究の推進方策 |
上記より来年度は、以下の項目をさらに検討する。 ・定常一次元モデルのガス円盤の縦磁場の強さおよび銀河宇宙線強度に対する依存性を調べる。 ・タンデム円盤における惑星の移動と成長のシミュレーションを行い、地球のような生命をはぐくむ惑星が生れる条件を探るとともに、系外惑星のデータと比較する。 ・隕石の化学組成などを元に、冥王代における地球、月、金星、火星の表層環境を再現し、その初期進化と初期生命の環境適応を論ずる。
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