計画研究
原始惑星系円盤の進化を記述する一次元モデルを構築したShakura and Sunyaev (1973)の定式化に基づき、降着円盤の各点で物理量の時間変化をゼロとして定常解を求めた。降着円盤の定常解においては、円盤を通して降着率が一定となる。その結果、原始惑星系円盤の構造は主に磁気回転不安定(MRI)によって決まることが分かった。つまり、円盤は、外部乱流領域、静穏領域、内部乱流領域の3つに分けられる。それらの間の2つの境界(外側と内側のMRI境界)において、それぞれ氷惑星(及びガス惑星コア)と、岩石惑星が重力崩壊とそれに続く小石降着によって形成されることがわかった。また、より精度の高い凝縮計算コードを用いて、岩石惑星形成領域(内側のMRIフロント)において凝集する物質モデルを構成し、予察的計算結果に反し、バルクシリケートアース(地球の岩石成分)と概ね一致する結果を得た。それを論文の形にまとめる準備をしている。さらに隕石の主要化学組成を比較を進めている。また、タンデム理論による惑星形成域を中心星の質量と降着率の関数として導出し、系外惑星の隕石母天体の組成を再現し、観測データと比較した。その結果、横軸を中心星からの距離、縦軸を中心星の質量にとった図の上での系外惑星の分布とタンデム円盤における主要構造(内側と外側のMRIフロント、雪線、アルフベンスフェア)の位置の間に著しい相関があることがわかった。現在、観測データのバイアスなどの評価を行って論文をまとめる準備を進めている。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Surface Science
巻: 674 ページ: 6,12
doi.org/10.1016/j.susc.2018.03.011
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Space Weather
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