研究領域 | 医用画像に基づく計算解剖学の多元化と高度知能化診断・治療への展開 |
研究課題/領域番号 |
26108006
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
森 健策 名古屋大学, 情報連携統括本部, 教授 (10293664)
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研究分担者 |
目加田 慶人 中京大学, 工学部, 教授 (00282377)
北坂 孝幸 愛知工業大学, 情報科学部, 准教授 (00362294)
小田 昌宏 名古屋大学, 情報科学研究科, 助教 (30554810)
中村 嘉彦 苫小牧工業高等専門学校, 創造工学科, 助教 (60402476)
三澤 一成 愛知県がんセンター(研究所), 分子腫瘍学部, 研究員 (70538438)
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研究期間 (年度) |
2014-07-10 – 2019-03-31
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キーワード | 医用システム / コンピュータ外科学 / 医用画像処理 / 画像数理モデル / 可視化 |
研究実績の概要 |
平成28年度は「多元計算解剖モデルに基づく知能化診断治療支援システム実現と拡張」に関する以下の研究を実施した。 (1)実時間多元シームレス解剖構造解析手法の拡張:手術検査支援を目的とし、術前画像からの多元解剖構造解析を行った。術中画像の利用についても検討し、A01、A03と連携しながら解剖構造解析手法の検討を行った。Deep learningを活用することで、リアルタイムに病変などを検出できる可能性があることが知られた。心筋方向解析手法も実現した。(2)多元メタ解剖構造認識手法の拡張:多元画像からメタ情報を識別する方法の検討を行った。異なるスケールやモダリティをまたぐ構造解析を行い、脈管や層構造を含む解剖構造認識とメタアノテーションの実現の検討を行った。3D U-NetやSpherical K-meansなどunsupervised segmentationを利用した解剖構造解析を行った。 (3)多元レジストレーション手法の拡張:昨年度の成果を利用し、空間軸に渡るレジストレーション手法の高度化について検討した。マイクロCT画像の複数スケール間レジストレーションのみならず、マイクロCTと臨床画像間のレジストレーションについても検討した。(4)多元シームレス可視化拡張:昨年度に引き続き、多元レジストレーション手法により位置合わせされた多元画像をシームレスに可視化する手法の検討を行った。 (5)意思決定支援手法実現:これまでに得られた結果を基に、診断治療時の意思決定を支援する情報の収集や腎臓手術において意思決定支援情報提示を行う手法の検討を行った。空間軸、メタ解剖軸などに渡る情報を用いた意思決定支援を検討した。(6)データベース構築:昨年度から引き続き、連携研究者やA03と協力し、多元医用画像、付随する臨床レポート、微細解剖構造画像等を収集して多元医用画像データベースを拡張した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
多元計算解剖モデルに基づく知能化診断治療支援システム実現と拡張に必要となる各研究項目の研究は予定通り進展している。さらに、人工知能を用いた研究で実績を持つ研究員を新たに雇用し研究の大幅な促進を行った。この研究員により人工知能を用いた多元メタアノテーション、様々なモダリティを対象とした解析、空間軸に渡る高精度なレジストレーション手法など様々な研究成果が得られており、これらの研究成果に基づく他の研究班との連携も開始している。 研究メンバーの充実によりさらに研究が促進されており、当初の計画以上に研究が進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
これまで研究を進めてきた多元レジストレーション手法、多元シームレス可視化手法を空間軸・機能軸・時間軸・病理軸・メタ解剖軸へと拡張し、さらに広い空間に渡るナビゲーションを可能とする。多元シームレス解剖構造解析手法の実現も目指し、外科手術支援を考慮した解剖モデル開発と人体多元シームレス解剖構造解析手法を実現する。多元メタ解剖構造認識手法、知能化診断治療支援システムの開発も推進する。 多元医用画像データベースについては、領域内外の研究グループと協力し、外科手術支援で扱う多種多様な医用画像およびそれに付随する臨床レポート等を収集しデータベース化する。
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