研究領域 | 医用画像に基づく計算解剖学の多元化と高度知能化診断・治療への展開 |
研究課題/領域番号 |
26108008
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
正宗 英津子 (小林英津子) 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (20345268)
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研究分担者 |
正宗 賢 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (00280933)
金 大永 帝京平成大学, 健康メディカル学部, 准教授 (60461860)
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研究期間 (年度) |
2014-07-10 – 2019-03-31
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キーワード | 生物・生体工学 / 解剖学 / 低侵襲治療システム |
研究実績の概要 |
術中超音波画像を用いたナビゲーションシステムにおいて、Local-phase-based snake手法を提案し、大腸外科手術を対象として腸骨動脈の輪郭抽出精度を検証したところ、手動による抽出から誤差2.86±0.60 pixel と高い精度を実現した。また本手法を用いて動物実験にて評価し、高いナビゲーション精度を得た。 鉗子操作における、術者の操作力計測および制御法への展開については、把持時に鉗子全体にかかる負荷を計測する為、既存の鉗子ボディでの計測に加え、手で握るグリップでの負荷(ひずみゲージ使用)、グリップの回転角度(ポテンショメータの埋め込み)を計測した。非目視時の把持と対象物の硬さが分からない時の時系列での負荷の変化が観察出来た。また、組織切開の簡易的な力学モデルを作成した。 膵体尾切除術用ステープラー制御に関しては、圧縮による膵臓への影響を調べる為、昨年度開発した計測機器を用いてヒト膵臓(検体)の粘弾性を計測した。4件検体(10か所)で計測した結果、圧縮率と応力での相関関係が確認出来た(応力/圧縮率=2MPa)。またブタ摘出膵臓に対して膵組織破断による膵液漏が確認可能な、反力-蛍光同時計測システムを構築した。高速圧縮(500 mm/min)(n=5)と低速圧縮(10 mm/min)(n=5)による圧縮実験を行ったところ、高速圧縮のみにて組織破断による反力低下および膵液漏による蛍光強度上昇が見られた。また併せて病理学的な評価も行った。 口腔外科手術用ロボットについては、ナビゲーションとロボットの統合を行い精度評価を行った。結果相対的な位置決め誤差X軸 0.14±0.23 mm Y軸 0.06±0.12 mmであった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成29年度の目的としている項目について実施することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度は最終年度として、これまで進めてきた、腹腔鏡下手術支援のための術中計測・術具操作法研究、膵体尾切除術用ステープラーシステム、口腔外科手術システムそれぞれに対して、他の計画班・公募班と協力しつつ、最終的評価およびロボット制御への提案を目指す。また臨床使用を視野に入れたシステムの構築も行う。
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