研究領域 | 医用画像に基づく計算解剖学の多元化と高度知能化診断・治療への展開 |
研究課題/領域番号 |
26108010
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
橋爪 誠 九州大学, 医学研究院, 教授 (90198664)
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研究分担者 |
家入 里志 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (00363359)
田口 智章 九州大学, 医学研究院, 教授 (20197247) [辞退]
大内田 研宙 九州大学, 大学病院, 講師 (20452708)
鈴木 直樹 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (40147327)
池田 典昭 九州大学, 医学研究院, 教授 (60176097)
小田 義直 九州大学, 医学研究院, 教授 (70291515)
木口 量夫 九州大学, 工学研究院, 教授 (90269548)
宗崎 良太 九州大学, 大学病院, 助教 (10403990)
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研究期間 (年度) |
2014-07-10 – 2019-03-31
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キーワード | 多元計算解剖学 / 医用画像 / 医用イメージング / 病理像 / 予測シミュレーション |
研究実績の概要 |
今回の研究では、CTやMR像だけでなく病理像や組織像、解剖所見や手術肉眼所見などの臨床情報をデジタル化して集約する。基礎的な検討として、膵癌自然発症モデルマウス(KPCマウス)を用い、病理像とマイクロMR画像の統合を行うため、膵腫瘍形成前から形成後までの経時的なMR像を集積した。膵癌の悪性度診断や腫瘍増大パターンによる化学療法の治療効果を予測する為、抗癌剤投与KPCマウスモデルを作成後、同マウス膵癌の1区分より1299枚の連続病理像を作製し、HE、Ki67、CK19、MTの染色を行った。HE像より腫瘍細胞と正常細胞の境界に領域を絞って、管状構造を三次元構築した。癌細胞の豊富な領域では多数の管状構造が見られるのに対し、正常細胞や間質の領域では管状構造はほとんど見られなかった。また、HEよりKi67陽性細胞の予測が可能かの検討も進めており、分化型によりKi67陽性細胞の分布に差があることを見出した。また、治療群KPCマウスのMR像とHE像の統合も進めており、MR像より病理像を予測し、癌細胞の増殖能や転移能の評価にも応用できないか検討している。臨床応用として、1mmCT像もしくはMR像のある切除膵2例(膵癌1例と正常膵1例)からそれぞれにつき病理切片を500枚と391枚作製した。HE像より管状構造を抽出した像と、Ki67とCK19を統合した三次元像の作製を試みている。マウスとヒトのモデルにおいて、病理像と経時的なCT、MR像を統合することにより、CTやMR像から病理像を予測し、悪性度診断や腫瘍の増大パターンによる術前化学療法の治療効果予測や切除後の再発の術前予測、浸潤範囲を予測できるような多元解析モデルを確立していく。さらに、動作に伴う自然な皮膚の変形を可能とする詳細な四次元全身モデルシミュレーションや、先天性横隔膜ヘルニア治療後の患児の肺の成長過程の予測モデル構築も進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
KPCマウスにおいては、未治療群と抗癌剤投与群における経時的なMR像の集積が完了しており、抗癌剤投与KPCマウス膵癌組織の連続病理像においてはHE、Ki67、CK19、MTなどで染色した。HE像より管状構造を抽出し、三次元にて分布を可視化した。また、三次元HE像と三次元MR像との統合を行った。MR像からの病理像を予測し、浸潤範囲や治療効果の予測モデルに応用する。また、並行してヒト切除膵を用い、連続病理像の3D構築を進めている。連続HE像より管状構造を抽出し、Ki67とCK19の3D像との統合を試みており、HE病理像から癌細胞の分布や癌細胞の悪性度など細胞機能が予測可能かどうか検討している。
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今後の研究の推進方策 |
KPCマウスにおいては、膵腫瘍の1区分より作製した1299枚の病理切片を3Dに再構築し、3D構築後のMR像と統合し、MR像から病理像を予測し、浸潤範囲の予測に役立てる。抗癌剤投与KPCマウスにおいては、腫瘍が縮小する領域と増大する領域とでKi67陽性細胞の分布に特徴がないかを検討し、間質の分布やMR像でのintensityの差を比較する。これにより腫瘍の増大パターンや治療効果予測のモデルを構築する。ヒト切除膵を用いたモデルの構築では、HEの他にKi67、CK19、MTなどの間質を染色した連続病理像の三次元構築を統合する。HE病理像から腫瘍の悪性度、浸潤範囲、腫瘍細胞の浸潤方向などを予測する、予測シミュレーションモデルを構築する。
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