計画研究
天然岩石を出発物質とした焼結多結晶体の弾性波速度測定、および含水岩石の弾性波速度・電気伝導度同時測定,SEMによる空隙の微細構造観察を行い,地球物理学的観測データの新しい解釈を進めた。その結果、(1) 島弧下の地殻・マントルにおける構成岩石やその空間分布、(2)地殻内には流体を含むクラックが存在し開口の大きな部分がチューブ状に連結していること、などを推定した。また、火山岩の溶岩組成分析とその統計解析から、日本列島に供給される深部流体は、沈み込むプレートの性質に応じて島弧沿いに系統的に変化し、特にフォッサマグナ付近を堺として西南日本と東北日本で明瞭な差異が存在することが分かった。東北全域のマントルウェッジおよび北上山地で3次元比抵抗構造解析を行い、上部地殻の岩体分布、前弧下部地殻の流体分布、プレート境界の深度70-80㎞での高電導体の存在を明らかにし、日本列島地下での流体やマグマ活動を制約した。地下ガスの3He/4He比が高く地下ガスが深部流体起源である本宮観測点の深さ1000mの観測井戸において、野外質量分析装置を設置し、地下ガスの連続分析を実施した。地下水中のヘリウム同位体を計測対象とした研究について、ヘリウムの連続観測およびフラックス計測の観点で検討を行った。長野県大鹿村鹿塩温泉周辺において、周辺の河川水に含まれる深部流体成分の把握・河川流量の観測により、地下深部から地表への深部流体成分の流量を求めた。さらに、阪神地域において深部流体に含まれるCO2による地下水の “赤水”化の分布及び湧出水の化学・同位体組成に関する調査を行った。深部流体の動的パラメタ-の推定に資するため、花崗岩類の深井戸の原位置での透水係数の文献調査を行ない、高温岩体の水圧破砕前の透水性は10^-17m2程度、土岐花崗岩の場合は4.7 x 10^-19が最も低い透水係数であることが分かった。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2018
すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 3件) 図書 (2件)
Mineral. Petrol.
巻: 112(6) ページ: 857-864
10.1007/s00710-018-0585-8
The Journal of the Geological Society of Japan
巻: 124(12) ページ: 1049-1054
10.5575/geosoc.2018.0027
C.R. Geosci.
巻: 0 ページ: 0
10.1016/j.crte.2018.09.007
Earth, Planets Space
巻: 70(1) ページ: 0
10.1186/s40623-018-0921-6
Prog Earth Planet Sci.
巻: 5(1) ページ: 0
10.1186/s40645-018-0209-2
Geophys. Res. Lett.
巻: 45(11) ページ: 5336-5343
10.1029/2017gl076953
Geophys. J. Int.
巻: 214(2) ページ: 952-974
10.1093/gji/ggy171
J. Mineral. Petrol. Sci.
巻: 113(3) ページ: 159-169
10.2465/jmps.171127
10.1186/s40623-018-0848-y