| 研究領域 | 地殻ダイナミクス ー東北沖地震後の内陸変動の統一的理解ー |
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| 研究課題/領域番号 |
26109007
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| 研究機関 | 国立研究開発法人建築研究所 |
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研究代表者 |
芝崎 文一郎 国立研究開発法人建築研究所, その他部局等, その他 (20344012)
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| 研究分担者 |
西村 卓也 京都大学, 防災研究所, 准教授 (90370808)
飯沼 卓史 国立研究開発法人海洋研究開発機構, その他部局等, 研究員 (10436074)
矢部 康男 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (30292197)
安藤 亮輔 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (10455256)
野田 博之 国立研究開発法人海洋研究開発機構, その他部局等, 研究員 (50619640)
大園 真子 山形大学, 理学部, 講師 (10623837)
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| 研究期間 (年度) |
2014-07-10 – 2019-03-31
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| キーワード | 固体地球物理学 / 東北地方太平洋沖地震 / 余効変動 / 断層すべり過程 / 断層レオロジー / テクトニクス |
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| 研究実績の概要 |
本研究課題では、以下の三項目の研究を実施した。
(1)東北沖地震による島弧・海溝系における広域変形過程のモデル化： 東北沖地震による余効変動を再現するために、千島海溝、日本海溝、伊豆・小笠原海溝における沈み込み帯のプレート境界形状と、地形を考慮した大規模有限要素法メッシュを作成した。不均質粘弾性媒質を考慮した有限要素法モデルにより、東北沖地震発生間の固着をモデル化し、地震間における地殻変動を再現した。また、東北沖地震による火山フロントにおける歪異常を再現した。
(2)特定の領域の高精度変形過程のモデル化： 単純なレオロジー構造を仮定した東北地方内陸部の地震前・地震時の変動場のモデル化に関する論文を発表した。東北地方に設置されたGNSS観測点の余効変動について，時系列解析によりその時間発展とメカニズムの要因について考察した。新潟-神戸歪集中帯の変形過程のモデル構築のために、地震前・地震時・地震後のGNSS観測データの収集・解析を行い、越後平野の地震時の歪過剰に関する論文を発表した。山陰歪集中帯における変形過程について、簡単なディロケーションモデルを検討した。
(3)断層レオロジーを考慮したすべり過程のモデル化： 東北沖掘削により得られた試料の摩擦実験結果を、既存の摩擦則を一般化して数値計算に導入する事に成功した。圧力溶解クリープを素過程として含む断層滑りに対する速度状態依存型摩擦則の定式化を行い、それを地震サイクルの計算に組み込む事に成功した。2007年能登半島地震を対象に、レオロジー特性を考慮した余効滑りモデルを構築したところ、断層強度のすべり速度依存性が対数関数で表される場合に、余震活動の水平方向の拡大が再現できることが分かった。これにより、本地域での地震発生層の深度のレオロジー特性が定性的に拘束できた。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
東北沖地震による余効変動を再現するために、詳細な有限要素法メッシュを作成した。詳細なメッシュを用いた解析ではやや遅れているが、中規模有限要素法モデルを用いた計算では、東北沖地震後の東北日本内陸火山フロントにおける歪異常のモデル化や東北沖地震間のモデル化も実施しており順調に進展している。断層レオロジーを考慮したすべり過程のモデルに関しては、既存研究に基づき圧力溶解析出クリープを素過程として含む摩擦挙動を考慮に入れた速度状態依存摩擦則の定式化を行い、それを用いた地震サイクルシミュレーションの成果を論文として発表した。また脆性・塑性遷移における有効応力則に関しても論文としてまとめたので計画以上の成果が挙げられている。顕著な余震活動の拡大が観測されている2007年能登半島地震を対象に，余効滑りモデルを構築し，断層強度のすべり速度依存性が対数関数で表される場合に，余震活動の水平方向の拡大が再現できることを示しており、順調に進展している。
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| 今後の研究の推進方策 |
予定通り、(1)東北沖地震による島弧・海溝系における広域変形過程のモデル化、(2)特定の領域の高精度変形過程のモデル構築、(3)断層レオロジーを考慮したすべり過程のモデル構築の課題を進める。(1)と(2)に関しては、地殻流体やレオロジーに関する実験研究の成果を基に、他班と連携して媒質特性を推定し、詳細な変形や応力場のモデル化を進める。また、大規模有限要素法を用いた余効変動のモデル化に着手する。(3)に関しても、実験研究及び観測研究を融合した研究を進める。
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