生体内における多様な細胞死シグナルの可視化・検出系の開発

2018 年度 研究成果報告書

• 研究領域: 細胞死を起点とする生体制御ネットワークの解明
• 研究課題/領域番号: 26110005
• 研究種目: 新学術領域研究(研究領域提案型)
• 配分区分: 補助金
• 審査区分: 生物系
• 研究機関: 北海道大学 (2017-2018); 東京大学 (2014-2016)
• 研究代表者: 山口 良文 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (10447443)
• 研究分担者: 荒川 聡子 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 講師 (90415159)
• 研究期間 (年度): 2014-07-10 – 2019-03-31
• キーワード: 細胞死 / 発生生物学

研究成果の概要

生体内における多様な細胞死動態の可視化とその意義の解明を目指し研究を行なった。パイロトーシス可視化プローブ、ネクロプトーシス可視化プローブの作出に成功した（Cell Rep 2014, Nature Commun 2018）。これと並行して、マウス発生過程における細胞死の意義と制御機構について解析し、神経管閉鎖過程での細胞死動態とその制御に新知見を得るとともに新規細胞死の役割を明らかにした（Dev Cell 2015, Development 2017, Genes Cells 2018, BMC Dev Biol 2018, Cell Death Differ 2017）。

自由記述の分野

発生生物学

研究成果の学術的意義や社会的意義

わたしたちの体の中では日々細胞死が生じている。この細胞死を周辺細胞の挙動とともにリアルタイムに可視化・検出することができれば、細胞が死ぬ際の死細胞のふるまいおよび周辺組織への影響を検討することが可能となり、それにより細胞死の生体内での役割についての理解を深めることができる。本研究では、生体内で生じる様々な細胞死のうち、これまでに構築していたアポトーシスに加え、パイロトーシス、ネクロプトーシスといった細胞死のリアルタイム検出系の構築に成功した。さらにそれらを用いて、哺乳類胎児の神経管形成時の細胞死の役割を明らかにした。これらの成果は、炎症や発ガン、胎児奇形の発生等に様々な洞察を与えるものである。