計画研究
(1)本研究では活性酸素センサー分子PRLとその標的分子のMg2+トランスポーターMagEx/CNNMに関する研究を進めている。前年度の成果によりMg2+過剰が活性酸素産生を引き起こすことを見つけていたので、その原因を調べた結果、ミトコンドリアでのATP合成系に大きな影響を与えていることが分かった。線虫を用いた解析でもCNNM変異によって腸細胞にMg2+が蓄積して活性酸素が蓄積し寿命が短くなっていたが、さらにサイズも小さくなっていた。しかし、このサイズ減少には活性酸素が関わっていないことが分かったので、それに関連する遺伝子の探索も行った。TRPM6を腎臓で特異的に欠損するマウスの解析によって、血圧の日内変動がほとんど起こらなくなることを確認した。また、この減少にレニンの分泌異常が関わっていることも見つけている。(2)我々は前年度までに、培養細胞に低温ストレスを与えることで細胞内に過酸化脂質が蓄積し、活性酸素応答性のリン酸化酵素であるASK1が活性化してフェロトーシスという細胞死を導くことを新たに見出した。しかしながら、低温ストレスによりなぜ細胞内に過酸化脂質が蓄積するのか、過酸化脂質の蓄積がどのようにしてASK1を活性化するのかなど、その詳細なシグナル伝達機構はほとんど未知である。これらの点を明らかにする手がかりをつかむため、本年度は、CRISPR-Cas9 sgRNAライブラリーを用いたゲノムワイドノックアウトスクリーニングを行い、低温ストレスにより誘導されるフェロトーシスの実行因子の網羅的探索を実施した。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 2件、 査読あり 4件) 学会発表 (17件) (うち国際学会 4件、 招待講演 10件)
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