研究領域 | 酸素を基軸とする生命の新たな統合的理解 |
研究課題/領域番号 |
26111010
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
伊東 健 弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10323289)
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研究分担者 |
鈴木 隆史 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70508308)
濱崎 純 東京大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (80533588)
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研究期間 (年度) |
2014-06-27 – 2019-03-31
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キーワード | ミトコンドリア / プロテアソーム / ヘムオキシゲナーゼ1 / Nrf2 / 酸化ストレス |
研究実績の概要 |
1.FIS-mCherry-GFPの融合タンパク質をHeLa細胞に安定形質導入して、lysosomeによるミトコンドリアの分解を効率よくモニタリングできる細胞の作成に成功した。現在、観察されている現象がマイトファジーによるものかMitochondria derived vesicle(MDV)によるものかを解析している。 2.HaCat細胞においてノックイン型のNrf2活性化を検出するreporter細胞を作成した。マクロファージを用いて転写因子Nrf2のChIP-seq解析を行った結果、肝細胞や繊維芽細胞を用いた解析では見られなかった新規のNrf2標的遺伝子を見出すことに成功した。また、Nrf2を制御するユビキチンライゲースKeap1のセンサーシステイン残基の解析を行った結果、プロスタグランジンによるNrf2活性化に必要な鍵センサーを見出すことに成功した。また、グリオーマ細胞においては、Nrf2とATF4の同時活性化によるxCTの発現誘導が種々のプロテアソーム阻害剤による毒性効果に対して防御的に働くことが明らかになった。 3.新たに作製したユビキチン化タンパク質認識不全マウスの表現型解析により、これまで報告していたプロテアソーム会合不全を呈するPAC1 KOマウスとは異なる機能障害(基質認識)においても酸化ストレス応答が惹起されることを見出した。すなわち、プロテアソームによるユビキチン化タンパク質の重篤な分解不全時に酸化ストレス応答が惹起されることを見出した。また、ショウジョウバエにおいてプロテアソーム機能低下による表現型を指標とした遺伝学的スクリーニングによりプロテアソーム機能調節候補因子を同定し、生化学・細胞生物学的にプロテアソーム機能調節への分子メカニズムを解析した。さらに、プロテアソーム会合因子として同定していたPI31 KOマウスの作成に成功し、臓器特異的PI31 KOマウスを用いた生理機能解析を推進中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
個別の解析が進むと同時に、種々のスクリーニング系も立ち上がった。がん細胞においては、プロテアソーム阻害による毒性制御にNrf2の経路が関与することが明らかになった。
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今後の研究の推進方策 |
個々の研究を進めるとともに、分担者との密接な研究協力を押し進める。ミトコンドリア、プロテアソームとKeap1-Nrf2経路とのクロストークの研究をより推進する。
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