計画研究
1.酸素ストレスで活性化する転写因子ネットワークの解析 1)Nrf2と相互作用する因子GCN1L1のミトコンドリアストレスに対するGCN1L1の効果をHeLa細胞において解析した。ミトコンドリア特異的な翻訳阻害剤であるドキシサイクリンを投与するとGCN1L1依存的なGCN2の活性化が観察されことから、GCN1L1がミトコンドリア機能異常のセンサーとして働くことが示唆された。2)ストレスセンサーKeap1の酸化ストレス感知に必要なシステイン残基の解析を行った。その結果、ストレス刺激によって感知に必要なシステイン残基を使い分けていることが明らかになった。2.プロテアソーム機能と酸化ストレスのクロストークの解析26Sプロテアソームの新規ユビキチン受容体サブユニットRpn13が実際にマウス生体内において既存のユビキチン受容体サブユニットRpn10と協調して働き、細胞恒常性維持に働くことを遺伝学的に示した。また、プロテアソーム機能減弱マウスにおける酸化ストレス惹起をin vivoで確認することができた。3. ヘムオキシゲナーゼ1の抗老化に関する機能解析ヘムオキシゲナーゼKOマウスから、胎児期繊維芽細胞を樹立した。今後ミトコンドリア機能について解析する。
2: おおむね順調に進展している
各要素項目の研究は順調に進んでいると思われるのでこのような判断とした。今後、その要素項目間の連携により、酸素ストレスに対するより包括的な応答機構を明らかにしていきたい。
細胞内小器官間におけるクロストークにおいては、ミトコンドリア-核シグナル伝達に焦点を絞り解析する。このクロスーク機構の解析においては、特にヘムオキシゲナーゼ1の機能に注目して行う。プロテアソーム機能減弱マウスにおいては、プロテアソーム機能及びユビキチンの蓄積によりどのようにストレスが惹起されるかに焦点を絞り研究を推進する。また、遺伝学的スクリーニングにより同定した新規プロテアソーム機能調節因子についてはすでに新規ユビキチン結合タンパク質であることが明らかになっていることから、今後どのようにプロテアソーム機能と関連するのかをより具体的にする。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件)
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