計画研究
「arcRNAタクソン」の確立に向けたarcRNA作動エレメント・作動装置の作用機構に関する知見を獲得した。代表者の廣瀬は、前年度までにNEAT1 arcRNAの変異体解析で明らかにした3つの機能ドメインの詳細な作用機構を解析した。特にパラスペックル会合を担うドメインC内に同定したサブドメインがNONO/SFPQヘテロダイマーの高親和性部位であること、そのヘテロダイマーがNEAT1にそってオリゴマー化する可能性を、in vivoテザリング、PAR-CLIP、in vitro binding実験を駆使して示した。さらに、in vitroで上記サブドメインRNAを核抽出液と混合すると相分離現象が誘導され、その過程でヘテロダイマーに依存してLLPS活性の高いタンパク質が結合することを示した。この発見はRNA機能ドメインを起点とするパラスペックル会合機構の理解につながり、この成果はMolecular Cell誌に発表した。一方で、これまでに開発した難溶性RNA-seqによるarcRNA探索を実施し、ストレス依存的新規arcRNA候補を多数獲得した。これによって当初の目標であったarcRNAをncRNAの「独立タクソン」として確立する知見が揃った。分担者の富田はncRNA作動装置の構造解析を実施した。Lin28依存的に前駆体let-7をウリジル化することによる成熟型let-7発現抑制機構を、ヒト由来TUT4のLin28結合ドメインのX線結晶構造解析、生化学機能解析により明らかにした。また、U6 snRNAおよびSAM合成酵素(Mat2A) mRNAをメチル化するヒト由来METTL16のC末端側ドメイン(VCR)が、TUT1に見いだされたRNA結合ドメイン、KA-1と非常に似た構造であることを見出し、VCRがU6 snRNA認識に必要であることを明らかにした。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (5件) 雑誌論文 (13件) (うち国際共著 4件、 査読あり 10件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (21件) (うち国際学会 10件、 招待講演 7件) 備考 (1件)
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