計画研究
(1)細胞レベルの研究:通常二次元培養下では、YAP発現細胞では接着因子の発現が低下し、接着能が弱いために、野生型細胞がYAP発現細胞の下に潜り込み、野生型細胞は足場依存性増殖シグナルが増強し、YAP発現細胞はこのシグナルが抑制されるために細胞競合現象の敗者となることを示した。一方、接着能の低いPetri dishやPolyhema-coat dishでの培養下では、YAP発現細胞は勝者に転換することを見出した。また、YAP発現細胞が敗者として、排除される際に生じる物理的力を可視化するために、FRETプローブを用いた。本プローブは、N末端から、アクチニン由来のアクチン結合ドメイン、mChery、クモ糸タンパク質、EGFPが融合されている。興味深いことに、YAP発現細胞が排除される際にFRETが生じることを見出し、細胞排除時に物理的力が生じる可能性を示した。さらに、YAP発現細胞を排除するシグナルを同定するために、標的既知化合物ライブラリーを用いてスクリーニングした結果、COX阻害剤が同定した。種々の阻害剤を検討した結果、YAP発現細胞で産生され、細胞外に分泌されたプロスタグランジンE2が、YAP発現細胞と周辺細胞の両方に作用して、排除シグナルの一端を担っていることを見出した。(2)個体レベルの研究:YAP活性化皮膚片を野生型マウスに移植した時にだけ、移植皮膚上皮が拒絶・剥離されることを見出した。野生型皮膚片を野生型やYAP活性化マウス皮膚に移植しても、YAP活性化皮膚片をYAP活性化マウス皮膚に移植しても拒絶は見られなかった。YAP活性化皮膚片上皮はヘミデスモゾームを構成するCOL17A1の発現が弱く、周囲の野生型上皮に押されることで、皮膚上皮剥離を認め、Hippo経路による細胞競合様現象が、ヒト皮膚移植効率を支配する可能性を示した。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (12件) (うち国際共著 2件、 査読あり 12件) 学会発表 (27件) (うち国際学会 4件) 産業財産権 (2件) (うち外国 1件)
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