現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究では、正常上皮細胞に囲まれた変異細胞内において生じる細胞非自律的な変化の解明を目指すものである。これまでに研究は当初の計画を越え、順調に進展している。平成26年度にEPLINとVASPという二つの重要な制御因子を同定し、それぞれについて論文で発表した(Anton et al., 2014, JCS; Ohoka et al., 2015, JCS)。さらに、平成27年度は、エンドサイトーシスと代謝変化という二つの細胞プロセスが細胞競合に関与することを突き止め、それぞれ一流誌に論文がアクセプロされた(Saitoh et al., PNAS, 2017; Kon et al., Nature Cell Biology)。さらに、スクリーニングによって複数の分子の同定に成功した。さらに、平成28年度には、がん遺伝子の変異の重ね合わせによって細胞競合現象が大きく影響を受けることや、環境要因が細胞競合現象に大きなインパクトを与えうるという、新たな概念を次々と提示することに成功した(Watanabe et al., Cell Reports, 2018; Sasaki et al., Cell Reports, 2018)。このように、研究は順調に進展しており、今後の研究のさらなる発展が大いに期待できる。
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