研究実績の概要 |
1. 造血幹細胞の加齢に伴うエピゲノム変化の解析:加齢マウス(2-3, 12, 20以上の月令)ならびに連続移植(1, 2, 3 回)により老化ストレスを負荷したマウスから造血幹細胞を純化し、そのエピゲノム変化を検討中である。この際、RNA sequence を行い、遺伝子発現変化のエイジングに伴う変化を確認するとともに、造血幹細胞分画内における分化段階のheterogeneityの変化についても詳細なFACS解析によって明らかにしつつある。 2. ポリコーム群複合体構成因子のエイジングへの関与の解析:ポリコーム群複合体構成分子のうち、Bmi1 (PRC1), Bcor, Pcgf1 (PRC1.1), Ezh2 (PRC2) を造血細胞特異的に欠損させた造血幹・前駆細胞のエピゲノム変化を、上記の加齢幹細胞と比較検討中である。これまでに、各遺伝子欠損マウスの造血のフェノタイプの解析はほぼ終了し、そのエピゲノム解析を開始している。 3. ポリコーム群複合体構成因子の強制発現による造血幹細胞の若返り:Bmi1, Ezh2を造血特異的に発現可能なマウスを用いて、ポリコーム群遺伝子のアンチエイジング効果を解析中である。 4. 幹細胞特異的な老化ストレス反応機構の解明:全く同じ遺伝的バックグラウンドを持ちながらゲノムの同一部位にDNA 二本鎖切断を定量的に誘導できる系の確立をめざし、マウスRosa26 遺伝子座にI-Sce1 の標的切断DNA 配列をもつマウスの作成に着手している。
|